今回は「好形を崩すツケ手法」を紹介します。
以前まで、白1は立派な構えを築く好点と考えられました。
しかし、黒2のツケで考え方が一転します。
ツケの効果
- 白1が負担の重い石に
- 白陣の分断が狙い
複雑な変化がなく、リスクもない手法。
この手法を知るだけで、「大場を見極める材料」を得られます。
目次
想定図 「石の働きが半減!価値の低い場へ誘導」
白1には、黒2以下と右辺を割ります。
白は△との連絡を図るため――、
白9から13と連絡を図る相場。
黒は右辺を制限しながら、大場に走れたので十分です。
ポイント
この手法の狙いは「白の発展性を削ぎ、△の働きを奪うこと」です
参考図1 「分断できれば 小目の配石が活きる」
白2には、黒3と分断して不満なし。
右下は小目なので、飲み込めば全て黒地です。
白4と動くなら、黒5以下で競り合いになります。
黒はAやBの狙いがあり、黒有利な戦いです。
参考図2 「強力な狙いが残る利かし」
白2には、黒3と大場に走ります。
後に、黒Aを狙えるのが大きいです。
白は右辺を守るピッタリした手がなく、悩ましい局面でしょう。
参考図3 「先手で発展性を奪う!加速する石運び」
白2、4の抵抗には、黒5と守ります。
白6と連絡されても、黒7でAやBを狙いつつ、大場を占めて黒悪くない展開。
参考図4 「封鎖&分断で優勢築く」
白2は、黒3で封鎖しながら分断します。
右辺の白陣を裂けば、黒成功です。
白4には、黒5のハサミツケが手筋。
右下を分断して、黒地を固められます。
まとめ 「ツケの最新手法が示す『好形』の疑問」
白1は「好形」だと考えられた幻想が、黒2のツケで打ち砕かれました。
この戦型に限らず、「好形」とされる形は再評価すべきかもしれません。