黒番は芈昱廷九段、白番は廖元赫八段。
シチョウが白良しなら、黒1に白2以下とかわすのが有名な対応。
ただ、この戦型では、シチョウを利用した黒の罠があります。
両ガカリ対策の特徴
- 1本道の変化に収束できる
- スピード重視の流れを作れる
「相手の裏をかくシチョウ活用」
両ガカリの威力を高める、有力な手段の1つです。
実戦図 「強烈なシチョウアタリ」
黒1の二段バネが狙いです。
白2と受けざるを得ず、黒3と連打できます。
白4には、黒5で隅は生きれるので、問題ありません。
白6以下と整形して、下辺に模様を築くのが相場。
実戦は黒13と右上を制し、実利重視の碁形を築きました。
ポイント
変化の余地を与えない、実利型の手法です
参考図1 「抵抗できない証明」
白2、4と抵抗するのは、黒5が成立します。
左下の白が崩壊するため、白は変化できません。
参考図2 「後の布石構想が難しい、従来の定石」
黒1と受けて、白2と厚くするのが、従来の定石でした。
ただ、白Aの手段ある上、後の打ち方が難しい課題がありました。
上図が1例で、白は効率よく左辺に模様を築けています。
まとめ 「対抗策を攻略できる可能性」
黒2は「従来の両ガカリ対策を覆す手段」として期待されます。
相手の意図を崩す意味でも、頭の片隅に入れておきたい手段です。