7月17日に韓国のサイバーオロ企画「菫のオロチャレンジ」第1局が行われました。
第2弾は、韓国の徐能旭九段が登場します。本局は、徐九段が古風な立ち上がりから、持ち味の戦闘力で圧倒する内容となりました。(参照元はこちら)
出場棋士 | 日程 | 結果 |
第1弾:金彩瑛六段 | 第1局:7月10日(金) | 金六段、黒中押し勝ち |
第2局:7月11日(土) | 金六段、白7目半勝ち | |
第3局:7月11日(土) | 金六段、黒中押し勝ち | |
第2弾:徐能旭九段 | 第1局:7月17日(金) | 徐九段、黒中押し勝ち |
第2局:7月18日(土) | ||
第3局:7月18日(土) | ||
第3弾:徐奉洙九段 | 第1局:7月24日(金) | |
第2局:7月25日(土) | ||
第3局:7月25日(土) | ||
第4弾:鄭有珍初段 | 第1局:7月31日(金) | |
第2局:8月1日(土) | ||
第3局:8月1日(土) |
※第3局は、第2局終了後に休憩を挟み、同日に行われる予定。

第1局:Lizzieの解析結果(囲碁AI・Minigo)
徐九段「現代定石に詳しいが、昔の定石は苦手なようなので、学ぶ必要がある」
一方、後半の優れた読みには「11歳の年齢を考慮すれば、すばらしい実力。大棋士になるだろう」と称賛しました。序盤の克服が、今後の課題になるようです。
それでは、第3局をハイライトで振り返ります。
目次
【ハイライト1:序盤】 旧時代の世界に引き込む
黒番が徐能旭九段、白番が仲邑菫初段。
黒2以下は、現代では珍しい堅実な石運びです。
白に左上と左辺を先行される代わりに、強化できるのが黒の自慢。
参考図1 「現代的な急戦定石」
黒1に、白2以下と戦うのがよくある進行。
どれだけ研究しているかで、ハッキリ差が現れる戦型です。
【ハイライト2:中盤】 機敏な石運びで優勢築く
白2、4に受けず、黒5と打ち込んだのが機敏。
AとBを見られ、白は強く反撃できません。
白6には、黒7以下でAとBを見合いにして、治まれます。
右上の白を綺麗に取れた分、黒優勢となりました。
参考図2 「工夫不足の受け」
黒2と素直に受けるのは、白3が厳しい追求です。
攻めによって、左辺の白陣が固まるので、黒ツライ展開。
【ハイライト3:中盤】 勝負手放つも、勝機見出せず
白1は、黒2の三々入りを誘ったもの。
白3以下と追求しながら、下辺の黒1子を攻める狙いです。
白7以下と攻めるも、黒12で左辺の眼を奪われたのが痛いです。
一気に左辺が弱体化し、力関係は黒に傾いています。
参考図3 「手堅い受けは勝機無し」
白1は丁寧に構えるのは、黒2と守られて勝機がないです。
Aと荒らす手も残り、白の打つ手がなくなります。