黒番は知哲、白番は本因坊道策。
黒1、3と中央を占められて、黒ペースに見える局面。
道策は囲碁史に残る名手で、この難局を優勢へ導いていきます。
正解図 「常軌を逸した、明るすぎる石運び」
白1と左辺を囲うのが、好判断でした。
黒2、4で中央が薄くなる代償に、左辺を大きく囲います。
黒8から12と突破を試みた瞬間、白13が道策らしい石運び。
1度囲った陣地を破られても、囲い直せば良いと判断したのが、柔軟でした。
「正面から受ける以外の選択肢」を持つ大切がわかる好局です。
参考図1 「正面対決は避けるべき」
白2、4と分断するのは、黒5と割られて白苦しい戦いです。
右辺の黒は、AやBの保険があり、厳しい攻めがつながりません。
参考図2 「全局的な薄さが目立つ」
白1と囲うのは、黒2で中央や左辺の薄さを見られて、難しい展開になります。
実戦進行は、中央と左辺の両方を補強できたのが、大きなポイントです。