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【LeelaZeroの遺産】変幻自在に立ち回る、ツケ手法の正体

黒番は廖元赫八段、白番は芈昱廷九段。
白1のツケが、囲碁AI・LeelaZeroの多用した手法。
相手の動きを見て、立ち回れる長所があり、最近打たれ始めています。

 

ツケの特徴

  • 受け方を見て、変化できる
  • 小目の攻防で使えるサバキ手法

 

「現代の定石は、布石そのもの」

 

昔は、部分的に完結する定石がありました。
しかし、現代では「定石=布石」となり、同じ局面になることが多いです。
序盤研究の差は顕著に表れるため、高いレベルになるほど重要度が増します。

 

 

手順図 「戦いの主導権を握る」

白1、3と右辺に展開するのが出発点。
黒4以下に「どう上下の白を補強するか」これが焦点です。

白7、9が整形する常套手段。
黒Aは、白B以下で整形して白十分です。

そこで、黒10以下と受ける進行を選択。
隅を固めながら、右上の攻めを狙う意図があります。
白19は右辺を横目に、右下のサバキを目指すLeelaZeroが多用した手法です。

 

参考図1 「軽やかな石サバキ」

黒2は、白3から5と整形されて黒不満です。
黒6と反撃しても、白7以下で右辺が孤立します。

 

参考図2 「捨て石のサバキ」

シチョウが白良しの場合、黒2に白3と切れます。
黒4、6には、白7と外側を厚くします。

黒8から12と受ける相場。
ただ、白13以下と先手で補強できるので、白十分なワカレです。

 

パターン1 「戦いの主導権を握る」

実戦は、黒1以下と下辺を固めながら、右辺を補強します。
ただ、白10と封鎖されると、見た目以上に黒苦しい格好です。

黒11以下の抵抗には、白14と手厚く攻められて黒イマイチ。
白は右辺を取れなくても、白Aに回れば互角以上になるので気楽です。

 

ポイント

「中央を厚くする」または「上下の白を補強する」これで目的達成です

 

参考図3 「強行突破の対応」

黒1以下の強行突破も考えられます。
ただ、白12まで、上下の白を補強できるので、問題ありません。
右辺の黒を薄くできた戦果が大きく、白悪くない進行です。

 

参考図4 「手残りの借金」

黒1から7と囲っても、白8の手残りが痛いです。
黒は取りに行かざるを得ないですが――、

例えば、黒9から11と迫られても、白12で手になります。
Aと中央を厚くする手と、Bと生きる手が見合いです。

 

パターン2 「戦いの主導権を握る」

黒2には、白3以下と切断するのが狙い。
黒Aは白Bと反撃され、黒苦しい戦いです。

黒8以下と下辺を固めるなら、白17と圧力をかけて白有利な戦い。
白は中央を厚くし、白Aに先着できれば白悪くならないのが自慢です。

 

ポイント

「攻め損なっても良い」ことが、大きな長所です

 

参考図5 「反発の対応方法」

黒1のハネには、白2以下と形を決めます。
黒はAとBを防ぐ必要がありますが――、

黒15、17が苦肉の策。
白18以下と強化できたので、右辺は白有利な戦場になります。
Aなどの利きもあり、黒は中央へ進出しづらいのが、泣き所です。

 

参考図6 「丁寧に整形する」

黒2と反発するなら、白3以下と形を整えます。
Aの攻めか、Bの好点に回れるので、白悪くない展開です。

 

パターン3 「中央志向の布石構想」

黒2と受けるなら、白3以下と右辺を封鎖します。
白は、中央重視の打ち方で十分です。

黒8以下と生きられても、白17と中央を厚くできれば、成功です。
中盤戦が楽になるので、序盤で稼がれた分は取り戻せます。

 

ポイント

「制空権を握り、中盤戦を楽にする」これが最大の長所です

 

参考図7 「ツケの意図『石を重くする』」

黒1と反発するのは、白2以下と裂かれて黒良くないです。
△と▲の交換で、下辺の負担が重くなっているのが、ツライです。

 

まとめ 「変幻自在のツケ手法」

白1は「出方を見て、自在に形を変える柔軟な手法」です。
黒A~Cのいずれも、中央を厚くする方針でかわせます。
目指すべき方針が簡明なので、試してみてください。

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