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【第9回応氏杯世界選手権・2回戦】一力、世界8強入り

中国の趙晨宇八段が、韓国の第一人者である朴廷桓九段を破った

9月9日に野狐囲碁で「第9回応氏杯世界選手権」の2回戦が行われました。
日本から3名が出場し、一力八段がベスト8進出を決めました。
明後日の8強戦では、中国の陶欣然八段と対決します。
以下に本日の結果をまとめました。(左側が勝者)

 

【9月9日(水):2回戦の結果】
一力遼八段(日)―安成浚八段(韓)
辜梓豪九段(中)―河野臨九段(日)
許皓鋐六段(台)―許家元八段(日)
申眞諝九段(韓)―范廷鈺九段(中)
陶欣然八段(中)―唐韋星九段(中)
趙晨宇八段(中)―朴廷桓九段(韓)
謝科八段(中)―楊鼎新九段(中)
柯潔九段(中)―江維傑九段(中)

【9月11日(金):8強戦の組合せ】
一力遼八段(日)―陶欣然八段(中)
申眞諝九段(韓)―辜梓豪九段(中)
趙晨宇八段(中)―許皓鋐六段(台)
柯潔九段(中)―謝科八段(中)

 

夢百合杯に続き、本機戦でも世界戦ベスト8入りした一力八段

今年だけで、一力八段は2つ目の世界戦8強入りを果たしました。
国内戦では、自身初の7大タイトル獲得など、破竹の勢いで勝ち進んでいます。
明後日の8強戦で、世界の壁を打ち破れるか、注目していきます。

 

 

実戦譜1 「強力なワリ込み、力勝負を挑む」

黒番は一力遼八段、白番は安成浚八段。
黒1から5と切断したのが、厳しい追求です。
世界トップ棋士に力勝負で挑む、一力八段の力強さが表れた局面です。

白6から14の抵抗には、黒15でAとBを見合いにして戦います。
黒の狙いは、中央の白5子の攻めです。

白16以下と手順を尽くし、上辺を補強します。
ただ、黒23で中央の白5子を攻める態勢となれば、黒悪くない展開です。
この後、激しい競り合いを一力八段が戦い抜き、ベスト8進出を決めました。

 

参考図1 「回避できない切断」

白2、4と受けられても、黒5でAとBを見合いにできます。
こうした背景があり、白は切断を防げません。

 

実戦譜2 「攻めをかわす、明るい石運び」

黒番は辜梓豪九段、白番は河野臨九段。
黒1以下は、Aの断点を守りながら、Bの切りを狙う意図です。
守り方が難しい難局を、河野九段は柔軟にかわしていきます。

白6から10と守るのが冷静。
黒11と切られても、白12以下と白3子を捨てて、黒模様を消せば白優勢です。
ただ、中盤で辜九段の猛追を支え切れず、無念の敗退となりました。

 

参考図2 「右辺の進出は止められない」

黒2、4と右辺の進出を止めるなら、白5で上辺を飲み込めます。
この変化を避けるため、実戦進行は仕方ないところです。

 

実戦譜3 「華麗すぎる中盤の収束」

黒番は許家元八段、白番は許皓鋐六段。
黒1、3と荒らしにいった時、白4が痛烈な一手でした。
この手を境に、流れが白へ傾いていきます。

黒5、7に、白8が決め手です。
白Aのツギを見られるため、上辺の黒を助け出せません。

黒11以下と応戦するも、白26でAとBを見られて、黒劣勢になります。
一瞬の隙を付いた、許皓鋐六段の鋭さが光った局面でした。

 

参考図3 「安全重視の打ち回し」

黒1と安定を図るのが良かったようです。
白2以下と厚くされても、各所で稼いだ黒の実利が大きく、黒悪くない展開でした。

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