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【第3回呉清源杯世界女子囲碁選手権・8強戦】中国がベスト4独占

9月29日に野狐囲碁で「第3回呉清源杯世界女子囲碁選手権」8強戦が行われました。
日本の上野愛咲美三段は、中国の王晨星五段に破れ、ベスト4入りできず敗退。
11月30日から12月4日の準決勝は、中国の棋士が制圧する結果となりました。
以下に結果をまとめたので、参照ください。(左側が勝者)

 

【9月29日(火):8強戦の結果】
王晨星五段(中)―上野愛咲美三段(日)
芮廼偉九段(中)―李赫五段(中)
於之瑩六段(中)―陸敏全五段(中)
周泓余六段(中)―呉侑珍七段(韓)

【11月30日~12月4日:準決勝の組合せ】
於之瑩六段(中)―王晨星五段(中)
芮廼偉九段(中)―周泓余六段(中)

 

中国での対局風景。中国がベスト4の椅子を独占する結果になった

 

今回も上野三段は、世界戦ベスト8で無念の敗退となりました。
しかし、一力遼八段の応氏杯4強入りなど、日本の勢いが増してきています。
世界戦では、日本は苦戦を強いられてきただけに、風向きが変わり始めたかもしれません。

 

 

ハイライト1 「冷静な攻防の一手」

黒番は王晨星五段、白番は上野愛咲美三段です。
黒1は白の連絡を断ちながら、左下の助けに働く好点。
白2、4と整形を図るのに対し、黒5が厳しい追求でした。

白6に、黒7から9と稼がれるのが痛いです。
白10と脱出しても、黒11と下辺を大きく攻められて白苦しい展開。

 

参考図1 「包囲網の完成」

白2と反発するのは、黒3以下で包囲されてしまいます。
本図が選べないため、白は実戦進行を選ばざるを得ませんでした。

 

参考図2 「受けられない理由」

白1に黒2と受けたくなりますが、白3以下で整形できます。
ポイントは「白はAの傷を効率的に守れること」です。

黒8には、白9以下で白Aを利く形を作れば、白成功です。
黒は右下と右辺が危ない格好で、収拾つきません。

 

ハイライト2 「中盤でも崩れない収束力」

黒1、3が厳しい追求でした。
右側に黒の厚みが控えているので、白は強く反発できません。

白4と脱出を図らざるを得ないところ。
黒7に、白Aは黒Bと石の調子で中央進出されるので――、

白8、10と守るのが相場です。
ただ、黒11以下と上辺を占めながら、下辺の攻めを狙われて白苦しいです。
黒は着実な歩みで、序盤から中盤のリードを堅守しています。

 

参考図3 「傷口が止まらない」

白2と逃げたいですが、黒3以下で白2子が取られてしまいます。
続いて、白Aは黒B以下で白陣が崩壊するからです。

 

ハイライト3 「たった1度の『チャンス』」

白1、3を決めた後、白5と後退したのが甘かったようです。
黒6で間隙を突く隙がなくなり、逆転の難しい局面になりました。

 

参考図4 「ヨセに強い碁形に」

白1と切断した後、白3とAの狙いを緩和するのが好判断でした。
黒4には、白5で黒2子を取れるので、白の薄さが全て解消されます。
互角に近いですが、強気なヨセを打てる分、実戦より勝りそうです。

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