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【第3回呉清源杯世界女子囲碁選手権・2回戦】上野、世界女王破る

9月28日に野狐囲碁で「第3回呉清源杯世界女子囲碁選手権」2回戦が行われました。
日本から3名が出場し、上野愛咲美三段が韓国の第1人者・崔精九段を破りました。
明日の8強戦では、中国の王晨星五段と対決する予定です。
以下に結果をまとめたので、参照ください。(左側が勝者)

 

【9月28日(月):2回戦の結果】
上野愛咲美三段(日)―崔精九段(韓)
李赫五段(中)―藤沢里菜四段(日)
於之瑩六段(中)―鈴木歩七段(日)
芮廼偉九段(中)―楊子萱四段(台)
周泓余六段(中)―金彩瑛六段(韓)
王晨星五段(中)―呉政娥四段(韓)
陸敏全五段(中)―黒嘉嘉七段(台)
呉侑珍七段(韓)―呉依銘二段(中)

【9月29日(火):8強戦の組合せ】
上野愛咲美三段(日)―王晨星五段(中)
芮廼偉九段(中)―李赫五段(中)
於之瑩六段(中)―陸敏全五段(中)
周泓余六段(中)―呉侑珍七段(韓)

 

上野三段は世界女流棋士NO1の崔精九段を破り、3年連続世界ベスト8に進出

 

上野三段は、本棋戦で3年連続ベスト8入りを果たしました。
国内では「ハンマー」の異名もあり、力強い打ち手として知られています。
今回こそ、8強戦の壁を打ち破れるか、期待が膨らみます。

 

 

実戦譜1 「華麗な序盤構想で圧倒」

黒番は崔精九段、白番は上野愛咲美三段です。
黒2に、白3から5と堅実に打つのが好判断でした。
黒は左辺と下辺の面倒を見る必要があり、忙しくなっています。

黒6と左辺を守るなら、白7以下と黒2子を飲み込みます。
次に、白Aが厳しいので――、

黒20と守るのは、必要な一手です。
白23が荒らしの常套手段で、右下の白模様を値切れば、白十分な展開。
Aの狙いや、Bの好点を見れるのが、白の自慢です。

 

参考図1 「地に辛いワカレ」

黒4と下辺に手を戻すなら、白5が大きいです。
白A以下が利くので、左辺はほぼ白地になります。

 

参考図2 「受け方が悩ましい」

白1は自然に見えますが、黒4の対応が悩ましい。
白は隅をどう受けても、形が崩れてしまうからです。

白5と受けるなら、黒6以下と地を稼ぎます。
この時、▲と△の交換が、白の形を崩す働きになるので白不満です。

 

実戦譜2 「切りをかわす、柔軟な石運び」

黒番は藤沢里菜四段、白番は李赫五段です。
黒1に、白2から4と封鎖するのが柔軟な着想。
ダメヅマリで、黒は包囲網を破ることができません。

黒5には、白6以下と封鎖していきます。
黒11と左下の白に働きかけるも、白12以下と大場に走られ、黒苦しい展開になりました。

 

参考図3 「包囲網を破れない理由『ダメヅマリ』」

黒1と突破を試みるのは、白2以下でダメヅマリになります。
白Aは黒Bでシチョウとなり、白を取れます。

 

実戦譜3 「強手を受け止める好手」

黒番は鈴木歩七段、白番は於之瑩六段です。
白1、3と追求された時、黒4から6と応じたのが好手。
この攻防を機に、黒がペースを握っていきます。

白7、9に、黒10以下と左辺を固めていきます。
白17と守る必要があり、黒18の大場へ先着して、黒が打ちやすくなりました。
しかし、中盤の難しいヨセで追い抜かれ、無念の敗退となりました。

 

参考図4 「力を溜めて攻める」

結果論ですが、白3と受けるのが無難でした。
後に、白Aなど攻める手段があり、白悪くない展開です。

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