黒番は范廷鈺九段、白番は党毅飛九段。
黒2のハサミに、白3以下が簡明なサバキ方です。
この手法を使える条件は「シチョウが白良しで、白Aと切れる場合」です。
目次
実戦図 「軽快な石運び、加速するスピード」
黒1に、白2以下と右上を荒らしながら、上辺の白陣を補強して白好調です。
黒Aのコウはありますが、先の遠い話なので、生きと見て問題ありません。
参考図1 「死活の確認」
黒1には、白2以下と粘るのが手筋です。
黒Aに、白B以下で白有利なヨセコウになります。
黒は大きな負担と手数がかかるので、得する未来はほぼないです。
参考図2 「サバキの発動条件」
黒2と遮るなら、白3と切ります。
黒Aに、白B以下とシチョウで捕まらないのが、この手法の発動条件です。
黒4以下と封鎖するしかないところ。
ただ、黒Aの断点が残るため、黒は大場へ走れないのが泣き所です。
参考図3 「隅を大きく荒らす」
黒1には、白2以下と隅を荒らして白十分。
白Aと動く狙いもあり、白の楽しみが多いです。
参考図4 「黒のリスクも高い」
黒1に、白2以下と黒陣を突破します。
黒Aの狙いが残るものの、黒は2つのコウ材を用意する必要があります。
また、黒がコウに負けると、右上全体が薄くなるリスクも抱えています。
まとめ 「シチョウ良しで使える、オススメのサバキ手法」
白3は「シチョウ白良しで使える、簡明なサバキ」です。
複雑な変化がなく、想定すべき変化が少ないのも魅力の1つ。
白1のツメが大きいと見られる理由は、本手法があることでした。