黒番は党毅飛九段、白番は廖元赫八段。
左上と右下が強い時、黒3から5の二段バネは簡明に活用できます。
黒の狙いは「実利を徹底的に稼ぐ」ことです。
二段バネの特徴
- 強い石がある時、簡明に収束できる
- 実利を徹底的に稼げる
「配石の活用がカギ」
現代碁では、実戦で表れる定石が極端に減ってきました。
その分、周囲の石をうまく使う構想力が問われています。
ただ、定石を使う目安を知れば、布石の成功率が飛躍的に上がります。
実戦図 「本命の狙いは『厚みの無力化』」
白1、3と形を決めた時、黒4と隅に入るのが好判断。
▲と手堅く構えているので、白の厚みは活きません。
白5以下と封鎖するのが定石手順です。
白Aは幅が狭いですし、Bと大きく広げても隙が残ります。
堅実に実利を稼いだ黒の戦果が大きく、黒悪くない展開です。
ポイント
周囲の強い石を活かし、厚みの効果を半減させる
参考図1 「守りながら、厚みを牽制」
白1と左辺を占めるなら、黒2以下と左辺を補強します。
左下の厚みとの距離が狭いので、固めても惜しくないです。
参考図2 「薄さを強調する好点」
白1と広く構えるなら、黒2が好点になります。
AやBと左下を攻める狙いを見て、黒満足です。
参考図3 「堅実な受けも、有力な打ち方」
黒4の受けは、堅実な打ち方です。
左辺を固められる長所はあるものの、左下への寄り付きが弱くなります。
これも有力なので、棋風に合わせて使い分けてみてください。
まとめ 「配石を活用した実利作戦」
黒1から7は「周囲に強い石を活かした実利作戦」です。
うまく状況を作り出すことで、思い描いた構想を描くことができます。
堅実に打つのも悪くものの、配石の活用にも挑戦してみてください。