黒番は趙晨宇九段、白番は芈昱廷九段。
黒2に、白3と動き出すのが面白い着想です。
白はAとBを見て、黒の強い反撃を封じています。
荒らしの特徴
- 足早な展開を実現できる
- 2つの狙いで反撃を封じる
- 巧みな利かしでポイントを稼ぐ
「地を稼がれたくない・・・」
そんな問題を解決する実利型の手法です。
実戦図 「機敏な利かしで、優勢に導く」
黒1、3と隅を固めるのが、無難な対応。
ここで、白4を決めて、荒らす手がかりを残すのがポイント。
白6まで、上辺を守りながら、右辺の発展性を制限して白悪くないです。
ポイント
「機敏に守りながら、発展性を削ぐ」これが長所です
参考図1 「捨てる発想でスピード加速」
黒1、3と攻められても、白4以下と冷静に受けます。
AやBなど荒らす手段を見れるので、焦る必要はありません。
例えば、黒13と上辺を固めるなら、白14以下と走って十分。
左辺の一部が白地になれば、互角以上の形勢になります。
参考図2 「解消しづらい味を残す」
黒1には、白2以下と手堅く収束します。
白Aが残るだけでなく、黒からピッタリした守り方がないのが自慢です。
参考図3 「利かし一本の模様対策」
黒2にも、白3と力を溜めます。
Aが利く形になったので、黒は右辺を大きくまとめづらいです。
まとめ 「石の働きを奪う実利手法」
黒1とツメた瞬間、白2以下が機敏です。
右上を荒らすことで、黒1と地を稼ぐ意図を崩せます。
実利派の方に、相性の良い手法です。