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【第22回農心辛ラーメン杯世界囲碁最強戦・第3戦】許、惜しい敗戦

10月15日にネット対局で「第22回農心辛ラーメン杯世界最強戦」の第3戦が行われました。
日本の許家元八段は中盤で失速し、中国の辜梓豪九段に破れました。
なお、持ち時間は各1時間+秒読み1分で行われています。
以下に戦績をまとめたので、参照ください。

 

対局日 開催地 勝者 敗者
第1戦 10月13日 ネット対局 洪基杓九段 范廷鈺九段
第2戦 10月14日 許家元八段 洪基杓九段
第3戦 10月15日 辜梓豪九段 許家元八段
第4戦 10月16日

【残りの選手】
日本:井山裕太九段、芝野虎丸九段、村川大介九段、一力遼八段
中国:柯潔九段、楊鼎新九段、唐韋星九段、辜梓豪九段
韓国:朴廷桓九段、申眞諝九段、申旻埈九段、姜東潤九段

 

中盤まで良い流れを掴んだ日本の許八段、勝ち切れず無念の敗退

許八段は中盤まで、中国の辜九段を圧倒する流れを築き、連勝への期待が膨らみました。
しかし、秒読みの中で、隅が頓死してしまい形勢不明な形勢に。
一度失った流れを取り戻せず、無念の敗退となりました。

 

 

ハイライト1「三々定石の攻防、手番重視」

黒番は許家元八段、白番は辜梓豪九段。
白2から6に、黒7を決めて、大場に走るのが現代手法です。
4つ這うことで、右下隅は手抜きできる見解になっています。

 

参考図1 「後手を引きたくない理由」

黒1と受けるのは、白2と構えられて黒イマイチです。
この進行を避けるため、実戦の打ち方を選択しています。

 

参考図2 「強引に模様を築く構想」

白2と構えるなら、黒3以下と右辺を盛り上げられるので、互角に近い進行。
現代は、実戦進行と本図のどちらかを選ぶのが主流です。

 

ハイライト2「鋭い打ち込みで戦端開く」

黒1の打ち込みで、戦端が開かれます。
白2、4と左上を捨てようとした時、黒5がうまい返し技でした。
白Aは黒Bで外周を厚くされるので――、

白6と反発せざるを得ないところ。
黒7以下で左右の白を狙える態勢となり、黒が戦いの主導権を奪いました。

 

参考図3 「捨て石作戦で模様構築」

白1と取りにいくのは、黒2以下と左辺を囲われて白失敗。
左辺の黒模様が大きいため、実戦進行を選ばざるを得ません。

 

参考図4 「制空権獲得が急務」

白2以下と、中央を占めるのが急務でした。
黒地が増える第上に、左辺の模様拡大を牽制できるので白悪くない展開。

 

ハイライト3「痛恨の頓死、中盤の大失速」

白3と追求された時、黒4以下と受けたのがまずかった。
白7で中手となるため、右上が取られてしまいました。
何がまずかったのか、検証していきます。

 

参考図5 「基本死活の生き形」

黒2が中手を防ぐシノギの手筋。
白3、5と黒2子を取るなら、黒6で生きています。

白7には、黒8以下で生きています。
白Aは黒Bでオイオトシになるのがポイントです。

 

参考図6 「コウに持ち込めば黒優勢」

前図より、白3以下とコウにするのが最善。
ただ、黒はコウになれば、左上の攻めがコウ材になるので黒優勢です。

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