
局面をリードしていた朴九段、機材トラブルで無勝負に
8月20日にネット対局で「第21回農心辛ラーメン杯世界最強戦」第12戦が行われました。
朴廷桓九段は、機材トラブルで時間切れになったため、再戦になりました。
明日10時に范廷鈺九段と再戦、勝利すると15時に謝爾豪九段と対決します。
以下にこれまでの戦績をまとめたので、参照ください。(左側が勝者)
対局日 | 開催地 | 勝者 | 敗者 | |
第1戦 | 10月15日 | 中国・北京 | 元晟溱九段 | 村川大介九段 |
第2戦 | 10月16日 | 楊鼎新九段 | 元晟溱九段 | |
第3戦 | 10月17日 | 楊鼎新九段 | 山下敬吾九段 | |
第4戦 | 10月18日 | 楊鼎新九段 | 金志錫九段 | |
第5戦 | 11月22日 | 韓国・釜山 | 楊鼎新九段 | 一力遼八段 |
第6戦 | 11月23日 | 楊鼎新九段 | 李東勲九段 | |
第7戦 | 11月24日 | 楊鼎新九段 | 許家元八段 | |
第8戦 | 11月25日 | 楊鼎新九段 | 申眞諝九段 | |
第9戦 | 11月26日 | 井山裕太九段 | 楊鼎新九段 | |
第10戦 | 8月18日 | ネット | 朴廷桓九段 | 井山裕太九段 |
第11戦 | 8月19日 | 朴廷桓九段 | 羋昱廷九段 | |
第12戦 | 8月20日 | 朴廷桓九段―范廷鈺九段、無勝負 | ||
第12戦(再試合) | 8月21日 |
【残りの選手】
中国:柯潔九段、范廷鈺九段、謝爾豪九段
韓国:朴廷桓九段
以下の理由で再戦が認められました。(こちらの記事を参照)
・ビデオ判定で、朴廷桓九段は着手する動きがあったこと
・機材トラブルが原因だと認められたこと
トラブルが発生し、1時間以上の確認が行われました。
場所を選ばず、棋戦を行える反面、ネット特有の問題を抱えています。
※下の動画は、時間切れした時の様子です。クリックしても打てません。
ハイライト1「足早な安全確保」
黒番は范廷鈺九段、白番は朴廷桓九段。
黒1に、白2以下で右辺と下辺を補強したのが機敏。
弱い石がなくなり、コミの活きる穏やかな進行になりました。
参考図1 「ダメ場を走らせる」
黒2と反発されても、白3以下と攻めれば白十分です。
黒の厚みは、△によって働きを奪われています。
ハイライト2「厳しい追求手段」
黒1に、白2がサバキを許さない好手。
厳しく追求したい時、選択肢の1つに入れたいです。
黒3、5には、白6以下で左辺と上辺を固められます。
左上の黒を攻める狙いもあり、白打ちやすいです。
参考図2 「サバキの常套手順」
白1と受けた場合、黒2以下のサバキがあります。
事故が起こりづらい変化で、よくこの形に収束します。
ハイライト3「勝負手をかわし勝勢へ」
黒1の勝負手に、白2以下と反撃します。
白は右辺さえシノげれば、優勢を確保できます。
黒7と強引に追求されても、白8以下で支えられます。
白Aを見られているので――、
黒19と守らざるを得ないところ。
白24まで、AとBを横目に、右辺をシノいで白成功です。
ただ、この後に機材トラブルが発生し、無念の無勝負となりました。