8月19日にネット対局で「第21回農心辛ラーメン杯世界最強戦」第11戦が行われました。
韓国の朴廷桓九段が、中国の羋昱廷九段に勝利し、逆転優勝に望みをつなげました。
8月20日の第12戦には、中国の范廷鈺九段が出場します。
以下にこれまでの戦績をまとめたので、参照ください。(左側が勝者)
対局日 | 開催地 | 勝者 | 敗者 | |
第1戦 | 10月15日 | 中国・北京 | 元晟溱九段 | 村川大介九段 |
第2戦 | 10月16日 | 楊鼎新九段 | 元晟溱九段 | |
第3戦 | 10月17日 | 楊鼎新九段 | 山下敬吾九段 | |
第4戦 | 10月18日 | 楊鼎新九段 | 金志錫九段 | |
第5戦 | 11月22日 | 韓国・釜山 | 楊鼎新九段 | 一力遼八段 |
第6戦 | 11月23日 | 楊鼎新九段 | 李東勲九段 | |
第7戦 | 11月24日 | 楊鼎新九段 | 許家元八段 | |
第8戦 | 11月25日 | 楊鼎新九段 | 申眞諝九段 | |
第9戦 | 11月26日 | 井山裕太九段 | 楊鼎新九段 | |
第10戦 | 8月18日 | ネット | 朴廷桓九段 | 井山裕太九段 |
第11戦 | 8月19日 | 朴廷桓九段 | 羋昱廷九段 | |
第12戦 | 8月20日 |
【残りの選手】
中国:柯潔九段、范廷鈺九段、謝爾豪九段
韓国:朴廷桓九段
怒涛の勢いで、韓国の朴廷桓九段は連勝街道を走ります。
2005年に李昌鎬九段が見せた、逆転5連勝を彷彿させる勢いです。
どこまで勝ち上がれるか、注目が集まっています。
目次
ハイライト1「三々定石の研究」
黒番は朴廷桓九段、白番は羋昱廷九段。
黒2のツギに、白3が厄介な受け方です。
続いて、黒Aが白Bと取りにいくのが、白の狙いです。
黒4、6が最大限の頑張りです。
上辺を治まると共に、黒Aと追求を見れるのが、黒の自慢。
白11以下と外周を整備するのが相場。
手番を得た黒は、黒22と稼ぎながら、厚みを牽制して黒悪くない展開です。
参考図1 「要所を占める石運び」
黒1には、白2以下と稼ぎながら、左上を守ります。
AやBを動く狙いがあり、白悪くない展開です。
参考図2 「シンプルな進行」
白1が無難な受け方です。
黒2以下と攻められても、白15と上辺を占められるので白十分。
後に、白A以下の狙いが厳しく、中央の白は厳しく攻められません。
ハイライト2「冴えるカウンター」
黒1とノゾいた瞬間、白2が機敏でした。
黒Aには、白Bと隅で大きく生きられます。
黒3、5と反発するも、白6以下と中央をまとめられて白有望です。
白が押し切ると思われましたが、朴廷桓九段は驚異的な追撃を見せます。
参考図3 「シンプル・イズ・ベスト」
黒1と受けて問題ありませんでした。
実戦と比べて、AやBの薄さがあり、黒の楽しみが残るのが大きいです。
ハイライト3「刹那のチャンス掴む」
白1から5と囲った時に、黒6が逆転の活路を見出しました。
Aのコウ争いは、右上や中央に豊富なコウ材があり、黒有利です。
この後、朴廷桓九段は磐石な収束を見せ、逆転勝利しました。
参考図4 「白勝ちコースは存在した」
結果論ですが、白1以下と形を決めるべきでした。
地を稼ぎながら、右上の死活問題が解消されて、白勝ちは揺るぎません。