相手を誘導する石運び「巧みな整形術」


黒番は朴廷桓九段、白番は申旻埈九段。
通常、黒2は一方的に攻められやすく、ほぼ打たれない手です。
「なぜ、重い石運びをしたのか」、それは「模様を消す調子」を得たいからです。


効率的な石運びは「調子を得ること」

捨て石や様子見する理由は「次の一手を打つ意味をハッキリさせる」こと。
大場を占めるのも、「広げすぎる」「狭すぎる」、それだけで石の効率は下がります。
ツケなど相手の出方を見るのは、大場の価値を図り、無駄な動きを減らしたいからです。
※上図の進行は下記の記事を参考ください。

星の大ゲイマシマリで生じる「ツケの攻防」を紹介します。相手の強引な仕掛けを最強に咎めるのは、相当な実力と経験が必要になります。そこで、今回は誰でも使える「整形重視の安全策」を解説します。
 実戦譜「整形する妙技」


黒1と白2を交換し、黒3と模様を割っていきます。
白4に黒5とシノギを図るのが、朴廷桓九段が用意した手でした。
白Aの切りが厳しく見えて、実は誘導された進行だったのです。


白6に黒7以下と連絡しながら、中央へ進出します。
いつの間にか、白の勢力圏で十分な形を得ています。


白14から18と追及を試みるも、黒19が成立するため不発に終わります。
続いて、白Aは黒B以下で中央の味が悪く、白は頑張り切れません。
最初の不思議な石運びは、白の勢力圏で形を整える布石だったのです。


参考図1「見合いの筋」


先に白1とハネるのは、黒2で痺れます。
AとBが見合いで白が困っています。


参考図2「容易なシノギ」


白1には、黒2から4の切りでシノげます。
白5以下と追及された瞬間、黒10のツケが好手です。
AとBを見れるので、白の攻めは繋がりません。


白11は黒12以下で生きを図れます。
黒は左辺を大きく荒らして、満足な展開です。

まとめ

黒1のハネは、白2を誘導して整形する構想でした。
相手が選択できる道を制限し、石の調子を得られれば、局面をコントロールできます。
「地を稼ぐ」から「石の効率を上げる」、これが高いレベルに達する一歩かもしれません。
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