「小目のケイマジマリ」解析(1)


ネット碁で流行している「小目ジマリ布石」を2回に分けて解析します。
数少ない黒番の有力布石に「白がどう対抗すべきか」対策する立場で紹介します。
1回目は、その基礎となる戦型と、打ち進める方針をまとめました。

今回のポイント
・実利型の布石に、スピード重視で対抗
・相手の追及をかわす技術を習得

実利重視の布石に対し、同じ土俵で対抗するので、どうしても薄くなる形が生じます。
ただ、その薄さを技術で補填することで、相手を上回る足早な展開を実現できます。
守るべき石の見極めが洗練されれば、序盤で大きな差をつけることも可能性です。

 テーマ「サバキの技術」


最近、黒1のシマリに注目されています。
白2には黒3と間合いを図り、相手の出方を見て動く意図があります。
地に辛くて厄介な戦術ですが、こちらも白4と様子見するのが有力策でした。

 推奨図「スピード重視」


黒1と受けるなら、白2と右辺を占めます。
黒3には白4と右下に迫り、右辺の薄さをカバーしていきます。


黒5から9の受けには、白10と下辺を占める足早な打ち方で対抗します。
右辺の白は厳しく攻められないので、心配する必要はありません。

 参考図1「追及の対策」


黒1の打ち込みには、白2から10と丁寧に受けます。
黒11と右辺を確定地にした時、白12と様子見するのがポイント。
仮に、黒Aと受けるなら、白Bの押さえ込みからCのハネツギを狙います。


黒13には、白14と自陣整備をします。
元々、右辺は確定地に近い場だったので、少し地が増えても痛手になりません。
白A、黒B、白Cの味や、白Dと押さえ込む狙いがあり、白の楽しみが残ります。
白30まで、左下一帯に白有利な戦場を築いて、白悪くない局面です。

 参考図2「華麗な裁き」


黒1の追及には、白2とかわすのが肝心。
黒3を誘い、白4から10と頭を出しながら黒二子へ反撃します。
続いて、黒Aは白B以下で収拾つきません。


黒11と白二子を取りにくるなら、白12以下で左下と右辺を補強して白十分。
こうしたかわし方があるので、右辺への追及は脅威ではありません。

 参考図3「軽い石運び」


黒1には白2から6と転身するのが簡明です。
AとBと見合いにして、白有利なワカレに収束します。


黒7と遮るなら、白8から12と右辺の黒を睨みます。
黒13などの補強に、白14が形の急所となり、黒は守りようがなくなっています。
例えば、黒Aは白Bと連絡しながら分断して、白勝勢です。

 参考図4「相場の進行」


前図より、黒1と受ける相場になります。
白6まで、黒は下辺を飲み込み、白は右辺を整形しながら地に走るワカレになりました。
ただ、局面に合わせて、AとBを使い分けられる白が若干打ちやすいでしょう。

 まとめ


白1、3は有力な対抗策です。
黒Aをかわせる上、仮に黒4から14と走られても、最終的に白15へ回れば白十分な展開。
方針はわかりやすいので、追及をかわす技術をつければ、苦手意識を克服できるはずです。

「小目のケイマジマリ」は堅い構えである長所がありますが、逆に外から形を決められやすい短所にもなっています。第2回目は、その短所をうまく活用し、徹底的に形を決めていく打ち方を紹介します。
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