三々定石の奇襲作戦


三々定石の珍しい打ち方を紹介します。
野狐九段戦でも威力を発揮した戦術で、有力な打ち方と言えるでしょう。

今回のポイント
・代表的な定石より良くなる可能性が高い
・最善に打たれても、互角に近いワカレ
・地だけでなく、戦いでも大いに活きる

必然に思えた手順で、急に奇策に走られたらビックリするはず。
精神的な面でも優位に立てる可能性があり、ぜひ試してほしい戦術です。

 テーマ図「工夫の一手」


黒2から6は三々定石の難解な変化の中でも、わかりやすい類のものです。
ここで、白Aの受けが必然の一手に見えますが、白7も面白い手法です。
手順と白Aの変化は、下記を参照ください。

三々定石は盤面全体に大きな影響を与える現代主流の大型戦術です。今回紹介する戦術も、原型から60手近く続く変化もあり、必須の研究項目と言えるでしょう。三々の世界は非常に難解で進化し続けそうです。
 参考図1「厚いワカレ」


黒1には白2と取りにいきます。
この地点で既に、今まで打たれていた定石より白良くなっているのです。


黒3から7と右辺を止めた後、黒11以下と白に迫る進行を見ていきます。
白14に黒Aと構えるのは、時期を見て、白Bが厳しすぎるので――、


黒15と堅く受ける相場で、白20まで、穏やかに収束するのがよくある進行です。
後に、Aを横目に白Bのツケが面白い狙いになるのが白の自慢です。
黒は右辺を囲いに行くと、白Cと削られて大きくなりません。

 参考図2「定石の比較」


前図を△と打った場合と比較すれば、差がはっきり見えます。
例えば、黒Aが利いているので、右辺に大きな地がつく可能性があります。

 参考図3「足早に展開」


黒1から5と受けるなら白6で様子見します。
黒7にすぐ白Aと逃げるのもありますが、白8と大場へ走るのがわかりやすいです。
続いて、黒Bは白Cと下辺を割れば、模様化は未然に防げます。(下の記事を参照)

広いハサミは模様拡大を牽制する上で、強力な戦術になり得る可能性を秘めています。今回はスピード重視ではなく、「手厚い碁形をいかに作るか」です。シンプルかつ強力な作戦なので、ぜひご覧ください。
 参考図4「急所の一撃」


黒2の受けには白3で十分な形で切れます。
黒4と右辺を広げたいですが、白5が厳しい反撃になります。


黒6、8と脱出しても、白9から11と稼がれながら攻められるのがツライ。
理由の一つは、△により上部で眼が作れないからです。(黒Aは白B)
△は地だけではなく、上辺で戦いが起きた時、白有利に働きやすいのです。

 参考図5「互角に近い」


以上より、黒2から4と助け出すのが最善に近い手段です。
ただ、実戦で試した時、この図に至ることは今のところありません。


白5に黒6以下と右辺、上辺ともに守る無難な進行になります。
白13まで、黒は中央の薄さを睨みながら、Aの狙いを見れる長所があります。
一方、白は全局的な展開が可能なので、互角に近いワカレと言えるでしょう。

 まとめ


白1、3は珍しい手法で、正しく受けられてもそこまで悪くなりません。
多くの場合、黒Aの切りがくるので、少なくとも代表的な定石より良いワカレになります。
ネット碁など、練習の場で呼吸が掴めれば、強い武器になるはずです。

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