タスキ型布石分析(2)


前回に続き、タスキ型布石を見ていきます。
中盤まで分析することで、戦いの安定度が格段に上がります。

今回のポイント
・強く追及し続ける姿勢
・戦いの要所で好手を用意
・種石を捨てる明るい発想

今回は序盤から中盤まで想定する必要があり、60手近くまで及びます。
ただ、こうした長手順の想定は、現代碁において珍しいことではありません。

黒番の戦術で注目されている「タスキ型布石」を数回に分けて検証します。コミの負担重い黒は「戦いが起こりやすい布陣を築く」流れになるでしょう。初回は黒が自在に立ち回る打ち方を紹介していきます。
 テーマ図「攻めが焦点」


前回より、黒に中央の主導権を握られないよう、白4と上から攻めていきます。
右下の戦いで、黒はどのように戦うべきか、見ていきましょう。

 参考図1「縦横無尽」


黒1、3と右辺の白へ圧力をかけます。
白は封鎖されないよう、白4と逃げ出します。


黒5、7と右上を固めた後、黒9以下と互いに補強するのが相場の進行。
白Aは黒B以下で黒の実利が優るので――、


白12と三々へ入りたいところ。
ここで、黒13から17の定石選択がポイント。


白18から28と右辺の黒へ迫ります。
黒が苦しく見えますが、白の薄みを浮き彫りにする好手があります。


黒29のハネが好手。
白30と切られても、黒31でAの利きやBの切りがあるのでシノげています。


白32と助けるなら、黒33から37と顔を出した後、黒39と反撃します。
右辺の白は孤立しており、守る必要があります。


白40と補強しにきた時、黒41から45と脱出を図って、黒47と右辺に手をつけます。
白54まで、黒Aは白B以下で種石が飲まれてしまいますが――、


黒55から59と捨てるのが明るい発想。
黒61以下と左辺一帯に模様を築けたので、黒好調な展開と言えます。

 参考図2「柔軟に対応」


白2と受けるなら、黒3から7と整形します。
右辺が強化されるので、黒は楽な戦いに持ち込めます。


白8は黒9から15と包囲網を破って黒成功。
白14でAは黒B以下のコウが厳しいので、白は封鎖できません。

 まとめ


黒1以下と脱出しながら、右上を固めて黒悪くない展開になります。
仮に白Aと入られても、黒は一杯に頑張れるので互角以上の戦いです。
複雑な戦いに持ち込んで、勝機を見出すタスキ型の布石戦術でした。

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