三々定石「手抜きの攻防戦」(1)


三々定石の難解形は研究されていますが、その原因はあまり知られていません。
「なぜ、難解になったのか」数回に分けて見ていきます。

今回のポイント
・手抜きを咎めるのに、高度な研究が求められる。
・気づきづらい好手を知ることが重要。

難解形に入るキッカケの戦型は、意外と深く研究されていません。
初回は、難解形に至った理由を解き明かします。

 テーマ図「手抜きを咎める研究」


今回は黒1に白が手抜きした場合の撃退法を紹介します。
白2、4と大場に走るなら、当然、黒5と咎めにいくところです。

 参考図1「徹底抗戦で完封」


白1の切りに、黒2から4と分断していきます。
白5と利かしにきた瞬間、黒6のツケが手抜きを咎める第一歩です。
この手は、黒Aと守る前に左辺の白を重くする意図です。


白7を見て黒8と手を戻すことで、左辺の白を捨てづらくしました。
黒10から14を決めた後、黒は気づきづらい好手を用意しています。


黒16が盲点になる好手です。
白Aと下辺を守るなら、黒Bで有利な戦いに導けます。


白17と左辺を守った時、黒18から20と切り込みます。
白Aは黒B以下と白三子を飲み込んで黒十分です。


白21には黒22と引き出します。
白23から27と左辺に迫られても、黒28と下辺を優先します。
白33で黒が困っているように映りますが――、


黒34のツケコシが決め手です。
白Aは黒Bで白収拾つかない格好になります。


白35、37と強引にこられても、黒38以下で支えられます。
続いて、白Aは黒B以下で取られる心配はありません。

 参考図2「見合いの手筋」


白1と守るなら、黒2と押さえ込みます。
白3以下と脱出を試みるなら、黒10でAとBが見合いです。

 参考図3「フリカワリ」


次に、白1と脱出を試みるのどうなるか。
黒2から8の追及に、白9でAとBを見合いにする狙いがあります。


ただし、黒10から16と外周を厚くすれば、黒悪くない展開です。
白17と取られても、黒18と右下に模様を築けば対抗できます。

 参考図4「黒十分な戦果」


白2と受けるなら、黒3から9と左辺の白を制します。
白Aには黒Bと左辺を固めて、黒十分な展開です。

 参考図5「大同小異」


白1、3と工夫しても、黒4以下と左辺を飲み込めば黒成功です。
白7でAは黒B以下と連絡して、黒の実利に軍配が上がります。

 まとめ


黒1に手抜きづらい理由が見えてきたと思います。
白Aは黒B以下で甘くなるため、難解形に進むことが多いです。
ただ、配石次第で黒悪くなる可能性があることも留意したいです。

数ヵ月前に流行った「三々定石の手抜き撃退策」を紹介します。結論から言えば、手抜きをうまく咎められないことがわかっています。こうした知識はすぐ進化するので、知識の更新は必須です。
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