三々定石の新型解析

 テーマ図「意表衝くコスミ」


白1、3と厳しく追及する三々定石の難解形に対し、黒4から6と受ける変化が現れました。
黒が緩んでいる形にも映りますが、見た目以上に弾力ある形であり、白の受け方も悩ましい。
この難解形を攻略する手法を紹介する前に、ここまでの手順を見ていきましょう。

 手順図「三々定石の解析進む」


最近は三々定石の難解形も深い研究が進み、謎に包まれた変化が解析されつつあります。
白2、4の受けに黒5と難解形に進んだ時に「どう対処すべきか」が大きな課題です。
いくつかの完全版が定まれば、三々定石の布石戦術の意図が明瞭になるでしょう。


白6、8と強引に止めて、右下隅の黒にプレッシャーをかけていきます。
黒9以下の出切りに、白12と活力を持たせながら隅の死活を睨むまでがほぼ一本道です。


黒13から19と受けた時に白20、22と下方の受け方を見るのが、最近打たれた変化です。
黒は左下隅の死活と下方の黒を睨まれており、深い読みが要求される難解形と言えます。
今回紹介する対処法は、黒23から25とそれぞれ生きる道を目指す変化です。

 参考図1「コスミの意図」


黒1のコスミに白2と押さえ込むなら、黒3から5と眼形を築いていきます。
白6には黒7と左方の補強して、それぞれはっきり生きた形となります。
続いて、白Aと眼を奪うのは黒B以下でシノげます。(参考図2を参照)


白8と生きる相場ですが、黒9から11と傷をつけながら生きを確かめて黒優勢です。
白はシチョウ関係が悪いため、白Aが成立せず苦しい戦いを強いられます。

 参考図2「取り掛けの対処」


白1、3と取り掛けにくるのは、黒4の切りが手筋でシノいでいます。
白5には黒6、8と冷静に白の手数を縮めながら眼を奪います。


白9から15でセキに持ち込まれても、黒16で外側の白を狙えるので黒有利な戦い。
セキ崩れのリスクがあり、白は外側を捨てられず相当苦しいと言えるでしょう。

 参考図3「用意されたシノギ」


それでは、先に白2と急所を突くのはどうか。
これには黒3のツケコシで外周の薄さを突くのが好手になります。


白4、6とさらに追及するのは無理筋です。
黒7以下でAとBを見合いにして、何れかの白が取れる格好となります。


蛇足ですが、白12と抵抗した場合は黒13から17が好手順で白4子を取れます。
続いて、白Aは黒Bでシチョウとなるので確認してみてください。

 参考図4「鋭い切り返し」


白1と出るのが気づきづらい好手です。
黒2の受けを見てから、白3とノビて左下隅の黒を睨んでいきます。


黒4、6と手を戻さざるを得ず、白7と生きを確かめていきます。
この時に、黒Aを決めずに黒8、10と左辺から動くのが非常に重要な手順です。
続いて、白Aは黒Bと左辺の2子を制されて白良くないので――、


白11から15と守りながら、左下の攻め合いを狙っていきます。
白15に黒Aは白20で攻め合い負けなので、黒16以下と守る相場になります。


白21、23の受けに、黒24以下と各所を整備して一段落のワカレとなります。
左上の白陣が固める代償を、右下の模様拡大で補填できているので互角に近い形勢です。
白に正しく打たれても、黒悪くならないので有力な戦法と言えるでしょう。

 参考図5「アテを決めない理由(1)」


黒1で下辺のアテを決めない理由は、白2から4の出切り対策をする必要があるからです。
この場合は黒5以下でAとBを見合いにして、白ツブレの格好です。

 参考図6「アテを決めない理由(2)」


△と▲の交換を決めた局面では、黒1のカケが成立しません。
白2から6でAとBを見合いにされて、黒が収拾突かない形となるからです。

 参考図7「全面戦争」


黒は今までの変化とは別に、黒1とカケる手法があります。
この変化は左辺側の黒を捨て石に、外周を厚くして模様を築く狙いです。


外側の利きを背景に、白2には黒3から9と綺麗に封鎖できます。
白10は「鶴の巣ごもり」の手筋を防ぐ手段で、黒11から13と強く応じていきます。
左辺側の黒を助け出すのは難しく、先の打ち方が難しく見えますが――、


黒15から21と左辺を利かしながら、左下の生きを確かめます。
黒23以降の攻めをうまく繋げると同時に、Aを横目に黒Bのツケを狙う流れになります。
これは力戦形なので、力自慢の方はぜひ挑戦してみてください。

 参考図8「実利が大きい」


最後に、白2と素直にツガれた場合の対応を見ていきましょう。
黒3から9と低位置を強いられますが、左下の白を飲み込めるので黒成功です。
続いて、白Aは黒Bと下辺を優先に補強し、白Cなら黒Dと手を戻して取り切ります。

 まとめ


黒1のコスミは見た目の印象より、強力な耐久力があるのが最大の特徴です。
この戦型は三々定石の難解形を攻略する有力な戦術の一つと言えるでしょう。
ただ、配石による影響が大きいため、実戦投入には勇気がいるかもしれません。

「編集後記」
今、三々定石のKindle版電子書籍執筆中です……!
1月末までに書き終えようと思ったけれど、2月中旬くらいに伸びそうです。
リリースできた時は、みんなぜひ見てください!

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