第34期同里杯天元戦挑戦者決定戦―決勝戦

杨鼎新、堂々の挑戦権獲得

1月14日に中国棋院で「第34期同里杯天元戦挑戦者決定戦」の決勝戦が行われた。
中国の杨鼎新九段が李轩豪七段の大石を仕留め、連笑天元への挑戦権を獲得した。
第34期同里杯天元戦三番勝負は4月15、17、18日に中国で行われる予定。(参考元はこちら)
なお、優勝賞金は40万元(約638万円)、準優勝は20万元(約319万円)である。

 局面図1「難解形の開幕」


黒番は杨鼎新九段、白番は李轩豪七段です。
白1の三々入りに黒2、4と受けた場合、白5から難解形に進むリスクがあります。
ただ、コミの負担がある黒としては、変化が多い進行で打開していかなければなりません。
一方、白は左下のように簡明な形で収束させて、穏やかな定石を選べる長所があります。


当然、黒6から8と強引に押さえ込んで、右上の白に圧力をかけていきます。
白9から15とほぼ一本道の進行になった後、黒16と比較的穏やかな変化を選びます。
これは局地戦で戦うのでなく、盤面全体の戦いで勝負する姿勢を示しています。


白17と隅に手を戻すのは必要な一手。
黒18から28と右辺を盛り上げながら白にプレッシャーをかけるのがよくある進行です。
白29に黒30と低く手堅く受けるのが、この局面では正しい受け方でしょう。
中央の白は見た目以上に強いので、近づくのは得策ではないからです。(参考図1を参照)

 参考図1「反撃が厳しい」


黒1と高く構えるのは、白6が形の急所で黒苦しい戦いになります。
左上に黒の援軍がいない場合、強烈になるので守り方は注意しなければなりません。


黒7から11は整形の手筋ですが、白12から14と黒全体を攻められて黒ツライ展開。
こうした強烈な追及があるため、実戦は低く構えたのです。

 局面図2「水面下の攻防」


白1の打ち込みは、Aの切りを見た定石後の狙いです。
それに対し、黒2とハサんで白の切りを牽制したのは強気の手段。
続いて、白Aは黒Bで難しい戦いとなるので、右下にサバキを求めていきます。


右上の味を横目に、白3の打ち込みから黒陣突破を目指します。
黒6は連絡を断つ厳しい手に見えますが、白7から9と絡まれると中々振り解けません。
白にAを見られており、右下側の白に強く追及するのが難しくなっているのです。


黒10のトビは苦心の一手。
ただし、白11に黒12と手を戻さなければならず、白13以下と整形して白十分なワカレです。
黒は白Aに黒B以下で狙いを消せましたが、自陣でえばられては面白くありません。
しかし、ここから杨鼎新九段が底力を発揮していきます。

 局面図3「中国ナンバー3の力技」


黒1のハサミツケが出発点。
白2と分断して右下の死活を睨まれますが、構わず黒3から5と右下の白を包囲します。
白はAやBと守らず、白6と右下隅に働きかけたのがまずかったようです。


黒7のコスミツケが強烈な一打でした。(参考図2を参照)
白8には黒9、11と眼を奪いながら、隅のスペースを確保していきます。


白12から16と右下の手入れを求めた瞬間、黒17と封鎖されて白窮します。
黒21に白A、黒B、白Cと無条件で取りにいくのは、黒Dで攻め合い負け。
白はEのコウを争わざるを得ませんが、黒は傍コウが多いので白劣勢です。
その後も、杨鼎新九段は力強く収束して右下の白全体を仕留めました。
結果、白中押し勝ち。

 参考図2「効率的な守り」


白2と受けるのは黒3のハネ出しが用意されています。
白4には黒5から9と形を決めるまで一本道の進行です。
続いて、白はコウ材がなく、白Aとコウを仕掛けられないので――、


白10のツギくらいですが、黒11から15と白二子を飲み込みながら守れるのが黒の自慢。
黒19まで、左下と中央、右下の白を睨みながら局面を動かせるので、黒悪くない展開です。

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