大斜定石の技法

 テーマ図「進化する定石」


黒1、3の大斜ガケは昔からある定石の一つです。
以前は白Aと正面から戦うことが多かったですが、現在はスピード重視の受け方が主流。
変化の途中で人間では考えづらい手段があるので、最後までご覧ください。

 参考図1「守りの巧手」


白1から9と外周の傷をつけながら、地を稼ぐのが現代的な打ち方。
それに対し、黒10がAI発の受け方で、人間界でも多くの実戦で表れるようになりました。
Aの断点を守ると同時に、BとCの切りを緩和する一石二鳥の働きがあります。


白11と左辺の模様を消しにくるなら、黒12以下と厳しく根拠を奪っていきます。
左辺の攻めにより、AやBの狙いを自然に消せる可能性もあり、黒が面白い局面と言えます。
断点が多くあった厚みも、状況次第では一手だけで守り切ることが可能です。

 参考図2「地に辛い進行」


黒1と素直に守るのは、白2から6と左上を万全にされながら地を稼がれるのが大きい。
左上の厚みを背景に黒7と模様を広げても、白8など軽快に消されて黒不満な展開です。
続いて、黒Aと強引に裂くのは、白Bと転身されて下辺に模様を築かれます。

 参考図3「臨機応変に」


白1、3と受けてから白5とワリ込んだ場合は、黒8のツギで応じます。
この状況なら、白Aと切られても地だけの手となっているので捨てやすいです。


白9には黒10、12と外周を厚くした後、黒14と相手の出方を見るのが大きい。
続いて、白Aと切るのは黒B以下が決まるのがツラく、白の切りを牽制した意図があります。


白15と守るなら、黒16と左辺を大きく広げて、左上の厚みを活かす展開を目指します。
白Aに黒Bの交換がほぼ確実であり、その進行を想定して布陣を敷くのが得策でしょう。

 まとめ


左上の白が万全でない状況では、黒1と強引にA~Cの断点を守るのが好手です。
特に黒番はコミの負担を追っており、こうした工夫で少しでも地の損失は回避したいところ。
知らないと中々打てない類の形なので、頭の片隅にあると役立つかもしれません。

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