棋戦情報

【2020三星火災杯世界囲碁マスターズ・8強戦】一力惜敗

4強戦の内、3つの席を独占した中国。世界トップの層の厚さを示した

10月30日にネット対局で「2020三星火災杯世界囲碁マスターズ」8強戦が行われました。
日本の一力遼八段は、中国の謝爾豪九段に競り負け、無念の敗退となりました。
4強戦は中国3、韓国1の勢力圏となり、中国が強さを見せています。
以下に戦績をまとめたので、参照ください。(左側が勝者)

 

【10月30日(金):8強戦の結果】
謝爾豪九段(中)―一力遼八段(日)
楊鼎新九段(中)―李維清八段(中)
柯潔九段(中)―李軒豪八段(中)
申眞諝九段(韓)―時越九段(中)

【10月31日(土):準決勝の組合せ】
謝爾豪九段(中)―申眞諝九段(韓)
楊鼎新九段(中)―柯潔九段(中)

 

韓国のランキング1位の申眞諝九段。中国の壁を打ち破れるか

日本の一力八段は残念な結果でしたが、以下のコメントを残しています。
「誰が相手でも、それなりに戦えるかなという感じにはなってきている」
世界戦・応氏杯でベスト4に残っているので、チャンスを掴んでほしいところ。

 

 

ハイライト1「用意された序盤の作戦」

黒番は謝爾豪九段、白番は一力遼八段。
黒1に、白2と反発したのが珍しい手法。
左上が飲まれる可能があるため、事前研究が求められる打ち方です。

当然、黒3と分断されるも、白4以下と抵抗するのが白の意図です。
黒Aに白Bとコウに持ち込まれますが――、

黒15以下のコウの代償に、白18から20と左下の黒陣を大きく破りました。
▲を大きく飲み込む狙いも生まれたので、白悪くないワカレです。

 

参考図1 「無難な対応方法」

黒1には、白2以下と連絡するのが無難。
黒に厚みを築かれても、白は上辺に構えているので、厚みの働きを打ち消せます。
本図を選ばないことを考えれば、実戦は一力八段の研究だと推測できます。

 

ハイライト2「力強い攻めが裏目に?闇試合へ」

黒1の動き出しが勝負手です。
確定地が少ない白は、この攻防で戦果を得なければ勝機がありません。

黒6以下の抵抗に、白12と徹底的に追求する姿勢を見せます。
ただ、この手を境に白好調な流れが崩れてしまいました。

黒13に白14以下とコウに持ち込むのが、一力八段の構想。
白Aのコウ材があり、白有利に思えるコウ争いでしたが――、

白20、22と取り返した後、黒23のコウ材が見た目以上に大きいところでした。
実戦は白24と解消するものの、黒AやBが残るため、白不満な交換です。
この攻防を境に、黒が少しずつ盛り返していきます。

 

参考図2 「コウ争いの継続が好判断」

白2と受けるのが冷静でした。
黒3には、白4のコウ材が用意できたからです。
黒Aと解消するなら、白Bで右辺の黒を飲み込んで白十分です。

 

参考図3 「簡明な白優勢コース」

白2以下と左辺を飲み込むのも有力でした。
中央の黒を補強されても、左辺で稼いだ実利が大きく白有望です。

 

ハイライト3「零れ落ちる勝利への道」

黒1の勝負手に、白2が敗着となりました。
黒3、5で中央を支えながら、上辺を大きく食い破られて黒勝勢に転じます。
白Aは黒Bで強い追求ができず、無念の敗退となりました。

 

参考図4 「難解な勝ちコース」

白2のサガリが成立しました。
黒3、5と抵抗されても、白6で分断できます。

黒7には、白8以下で攻め合いは白成功です。
黒Aの抵抗は、白B以下で仕留めることはできます。

-棋戦情報

© 2020 okaoの囲碁研究所