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【2020中国乙級リーグ・第1戦】日中友好チーム、白星スタート

11月15日にネット対局で「2020中国乙級リーグ」が開幕しました。
日中友好チームとして井山裕太九段、余正麒八段、六浦雄太七段、福岡航太朗初段が出場。
日本は3勝1敗で勝利し、幸先の良いスタートを切りました。(こちらを参照)
以下に戦績をまとめたので、参照ください。(左側が勝者)

 

【11月14日(土):1回戦の結果】
「日中友好」3―1「北京棋院」
井山裕太九段―毛睿龙五段
余正麒八段―国宇征六段
六浦雄太七段―張维六段
郭信驿五段―福岡航太朗初段

【11月15日(日):2回戦の組合せ】
「日中友好」―「台湾中環」
井山裕太九段―陳诗渊九段
余正麒八段―林立祥八段
六浦雄太七段―林士勋七段
福岡航太朗初段―陳祈睿六段

 

1日の休息日を除き、連戦が続く厳しいリーグ戦である

中国乙級リーグは、上位2位が甲級リーグへ昇級できます。
井山九段の初参加が叶い、今年こそ甲級への2席を獲得するかもしれません。
なお、持ち時間は各2時間に秒読み1分5回、中国ルールで行われました。

 

 

ハイライト1「最強の決め手、大石撃退」

黒番は毛睿龙五段、白番は井山裕太九段
白1、3と右辺を進出した時、黒4と飲み込むの最強の手段。
白Aの両アタリが気になりますが――、

当然、白5以下と右辺を突破されます。
しかし、次の一手が井山九段の用意した決め手でした。

黒11が気づきづらい強手。
白12と取られても、黒13で右下の白に眼がありません。
続いて、白Aは黒Bで取られてしまいます。

白14と抵抗されても、黒15以下で仕留められます。
白Aは黒Bと眼を奪いながら連絡できるので、白死です。
井山九段の高い精度の読みが炸裂した好局になりました。

 

参考図1 「コウの活路はない」

白1は、黒2とコウを仕掛けられます。
白3と抜かれても、黒4周辺に多くのコウ材があり、白は戦えません。

 

参考図2 「読み切りの勝ちコース」

白1と抜くのは、黒2で眼を奪えます。
白3には、黒4以下で支えられるので、白に脈はありません。

白7の抵抗に、黒8以下と右下の白を飲み込んで黒勝勢です。
周囲が黒一色なので、黒の強襲が成立します。

 

参考図3 「綺麗に封鎖できる」

白1、3と抵抗するのは、黒4でAとBが見合い。
右辺は黒の厚い場で、白は生きる道がありません。

 

ハイライト2「豪腕の余、盲点になる戦い方」

黒番は国宇征六段、白番は余正麒八段。
黒1に、白2と反発するのは当然の態度。
黒Aの突破に、余八段は凄まじい戦い方を見せます。

黒3に、白4以下と連絡を断ちながら、下辺の黒に襲いかかります。
通常は悪い打ち方ですが、現局面では弱い石を抱えて、黒が一方的に苦しいです。
この先も力強く戦い抜いた余八段が、勝利を掴みました。

 

参考図4 「安易な受け」

白2の受けは、甘い打ち方です。
黒3と補強する調子を与えて、厳しく攻めるのが難しくなります。

 

ハイライト3「学びの多い攻め方、ツケの手抜き」

黒番は六浦雄太七段、白番は張维六段。
白1と黒陣を荒らす調子を求めた時、黒2と右辺を固めたのが好判断。
右辺が黒地になれば、白1と黒2の交換が白の悪手になるので――、

白3以下と動き出すも、黒は右辺をほぼ地にできた戦果が大きい。
「ツケに手抜きする」これが最強の反発なので、覚えておきたい発想です。

 

参考図5 「攻めがつながらない」

黒1、3は、部分的に無難な受け方です。
ただし、白4で治まられる上、白A以下と荒らす手もあり黒イマイチ。

黒5から9と迫っても、白10以下で生きている形です。
この死活は生き形なので、覚えておくと実戦で役立ちます。

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