三々定石「ノビの基本」(3)

 テーマ図「シチョウ関係の確認」


前回に続き、シチョウ関係による大きな違いについて解説します。
黒1の三々入りに白2、4と押さえるのは、現局面ではあまり適さない打ち方です。
理由は白A以下のシチョウが黒良しなので、黒5のトビが成立してしまうからです。

 参考図1「連打の応酬」


白1など大場に走るなら、直後に黒2と守るのが定型化された呼吸です。
当然、白3の両カカリに回られ、左下を連打した分を取り戻されそうですが――、


▲の配石が絶妙にシチョウアタリとなっており、黒4から10とかわすことができます。
両カカリ対策に働く効果もありますが、本命は手番を回った後の構想にあります。


黒は右上の攻防を先手で打ち切り、黒12に回るのが一連の流れの狙いでした。
白13には黒14と上からプレッシャーをかけて、黒有利な戦いに導けます。
▲を起点に全局的な展開を描けるのが、黒の構想の強みです。

 参考図2「壁攻めの狙い」


白1から9と厚みを築いてから、白11と左辺に模様を張る進行も考えられます。
ただ、左下の黒がしっかりした形となっているため、左辺の打ち込みが後の狙いになります。


後に黒12の打ち込みが厳しい狙いになります。
白13、15と攻勢に出るなら、黒16以下と脱出しながら左下の白への反撃を狙います。
白は左下隅への利きがなく、こうした壁攻めの構想を描かれる可能性があります。

 まとめ


ノビの簡明策を打つ場合、シチョウ関係の有無を確認してAかBを選択するのが肝心。
黒1の三々入りに、何も考えずに押さえる方向を決めると痛い目に合うのでご注意を。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする

コメント

  1. タカ より:

    いつも楽しみに見させて頂いています。
    気になったのですが、まとめで「シチョウ関係の有無を確認してAかBを選択するのが肝心。」とありますが、Bと押さえた場合は黒からトビの変化は選びにくいのでしょうか?

    • okao より:

      実はシチョウ関係以外にも、配石によっては悪くなる場合があり、それがBに当てはまります。詳しくはこちらの記事をご覧ください。ただ、相手が妥協する道を選べば劇的に良くなる訳でないので、その点はご了承ください。