李世乭九段vs.AI・ハンドルの三番勝負第3局

李世乭、2子局で敗れる

12月21日に韓国で「李世乭九段引退三番勝負」の第3局が行われた。(こちらを参照)
李世乭九段がAI・ハンドルに2子局(コミ7目半)で対局し、無念の敗北となった。
第1局とは違い、AIは大きなミスをすることなく中盤で互角に近い形勢へ接近していく。
複雑な戦いが発生するも、李九段の勝負手は悉く封殺され刀折れ矢尽きた。
なお、持ち時間は各2時間+1分の考慮時間3回で行われた。

局後に李九段は以下のように述べた。
「序盤でもう少し良くなる道がありました。その道を進んでいれば第1局と同じような内容になっていたでしょう。今、活躍している若手ならハンドルには勝てると思います」
中国のAIより劣っていることも語っており、AlphaGo戦のような壁は感じなかったようだ。

 引退インタビュー

このイベントを最後に、36歳の李世乭九段が25年の棋士人生に幕を下ろした。
「私を応援してくださったファンの皆様にどのように感謝を伝えれば良いか。私が至らなかった点もありますが、その点は大目に見ていただいて、良い部分を覚えていただければと思います。最後の瞬間を共にすごした皆様にも感謝しています」と感謝の意を述べた。


李九段は世界戦で19回優勝しており、李昌鎬九段(21回)に次ぐ優勝回数を誇っている。
2016年のAlphaGoとの五番勝負第4局で「神の一手」を放ち、人類唯一の勝利者となった。
世界屈指の読み、力で幾度も逆境を覆し、劇的に勝利する姿で多くのファンを熱狂させた。
今後の活動について、まだ整理できていない点もあり、ハッキリしていないという。
(上図は白番の李世乭九段がAlphaGoに放った「神の一手」)

 局面図1「鋭い切り込む」


黒番が李世乭九段、白番がハンドルです。
白1、3と右下の黒に迫ったのが厳しい追及でした。
単に黒Aと遮るのは、白Bと手数の伸ばされて攻め合いは白勝ちになります。


黒4は苦肉の策ですが、白5と手を戻すのが冷静で黒苦しい戦いです。
黒6から10と一子を引き出すも、白11でAとBが見合いで白生きています。
簡単に活かしてしまうと、下辺も危うくさらに窮地に立たされます。


黒12と眼を奪いにいかざるを得ませんが、ここで白13が好手でした。
黒Aのツギは白B以下で黒一手負けなので――、


黒14と受けるしかなく、白15と黒三子を取って右下の生きを確かめます。
黒16、18で右辺の黒は取れませんが、右辺のコウ材を背景に白19と仕掛けるのが狙いです。


黒20と抜かれても、白21のコウ材があるため、白25とコウを抜き返せます。
大きなコウ材がない黒は下辺の連絡を図らざるを得ません。


黒26、28と下辺の連絡を図るのが相場。
白29と守って一段落ですが、白は右下と右辺を固められたので悪くない進行でしょう。
コウ争いが絡む読みも、ほぼ正確に打ち切れているのが印象的です。

 局面図2「軽快な石運び」


黒1と白2を交換してコウ材を作った後、黒3とコウ争いに臨みます。
しかし、黒5のコウダテに構わず、白6と早々に解消する決断を下します。
下辺がボロボロになるように見えますが、軽くかわせると見ているようです。


黒6と連打を許しても、白7と入り込まれて見た目以上にしぶとい形です。
Aから脱出する狙いや、白B、黒C、白Dとコウに弾く粘りもあり、黒の受け方が悩ましい。


黒10と眼を奪いにきた時、白11と隅に転身するのが好判断でした。
白17まで、上辺と左下で稼げたので、下辺は多少飲み込まれても採算があいます。
その後、黒は下辺の白を大きく取りにいきますが、結局うまく行かず投了となりました。
結果、白中押し勝ち。

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