三々定石、二段バネの欠点(1)

 テーマ図「負担が重い利き」


黒1の三々入りに白2から6と二段バネで応じる変化が時々見られます。
ただし、負担が重い様々な利きが生じるため、運用方法が難しい手法と言えます。
どのようなリスクが考えられるのか、具体例を通して解説していきます。

 参考図1「シチョウが不利」


多くの局面で、黒1から5と白一子をカミ取るのが正しい対応です。
白6、8と実利を得て無難なワカレに見えますが、利きが生じて行動が制限されています。
例えば、白10の両カカリの攻防でその短所が顕著に姿を見せます。


黒11、13に白14と追及するのが現代風の打ち方。
ただ、左下の利きにより、現時点でシチョウ関係が白良しでも黒15の切りが成立します。
続いて、白Aの逃げ出しが厳しく見えますが――、


白18と逃げ出した瞬間、黒19のシチョウアタリが決め手になります。
AとBを見合いにされて白は抵抗する余地がなく、既に白敗勢と言って良いでしょう。
白は左下の負担が重いため、シチョウ関係は白不利になることが多いです。

 参考図2「味残りの土地」


左下の白陣を背景に、白3から7で大きな白地ができたように見えます。
しかし、黒10からAとBを見合いにする手段があり、味の良い確定地とは言えません。
確定地を築く場合でも、左下の利きが足を引っ張る原因になり得るのです。

 まとめ


白1、3の二段バネは多くの利きが残るため、あまり打たれなくなりました。
下辺に地をつける場合でも、右上の攻防であっても悪影響を及ぼしかねないからです。
もちろん、短所を理解した上で活用する術はありますが、高度な布石感覚が求められます。

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コメント

  1. ラルトス より:

    いつも貴ブログで勉強させていただいております。
    参考図1について黒19、白e4で、黒3fはシチョウアタリにならないので、一見黒窮するように見えるのですが、黒はどの様な応手が考えられるでしょうか。よろしければご教授いただけると幸いです。

    • okao より:

      黒19、白e4には黒d2と黒三子を引っ張り出してシチョウアタリを成立させるように動いていきます。この局面ではシチョウアタリが成立するか、左下の白三子を取れれば成功なので白収拾突かない格好になります。(一例ですが、黒19、白e4、黒d2、白f3、黒e2、白f2、黒f4の切りで白窮しています)

  2. ラルトス より:

    okao様返信ありがとうございます。
    どちらかが成立すれば良いのですね。
    黒d2に対して白e2の切りからだとシチョウが有効になってしまう事を見逃していました。
    大変勉強になりました。ありがとうございます。これからも貴ブログにて勉強させていただきます。