中国の連勝街道止まらず
11月24日に韓国・釜山で「第21回農心辛ラーメン杯世界囲碁最強戦」の第7戦が行われた。
日本の許家元八段が出場するも、中国の杨鼎新九段に敗れて中国無傷の6連勝を許した。
最終日に井山裕太九段の出場が確定し、第2ラウンドで日本が姿を消す可能性が生じた。
明日の第8戦では、韓国の申真谞九段が出場する。(こちらを参照)
中国 | 柯潔九段 | 杨鼎新九段(6連勝) | 芈昱廷九段 | 范廷钰九段 | 謝爾豪九段 |
韓国 | 朴廷桓九段 | 申真谞九段 | 金志锡九段 | 李東勲九段 | 元晟溱九段(1勝) |
日本 | 井山裕太九段 | 山下敬吾九段 | 村川大介九段 | 一力遼八段 | 許家元八段 |
2014年以来、日本は最終ラウンドまで残っており、第2ラウンド突破は果たしたいところ。
しかし、井山九段はタイトル戦で王座戦、天元戦で苦戦が続く厳しい状況に立たされている。
日本の存在感を出すためにも、最終戦は負けられない戦いである。
局面図1「不発の仕掛け」
黒番は許家元八段、白番は杨鼎新九段です。
黒1のツケは小目の一間ジマリへ手をつける代表的な手法の一つ。
しかし、現局面では左上の白への攻めを残したいので、有効ではなかったようです。
白2に黒3から11と形を決めるのがよくある進行。
ただ、白14と左辺を大きく囲われつつ、左上を補強されては若干黒不満な展開。
三々入り後の攻防では、厚みが活用されない工夫が求められるようです。
局面図2「捨石のテクニック」
黒1のノゾキに白2から6と反撃したのがうまい返し技でした。
黒一子が飲まれるわけに行かないので――、
黒7には白8、10と封鎖を試みていきます。
黒11と下辺の白を飲み込まれますが、これは杨鼎新九段の予定の行動でした。
白16、18を利かした後、白20以下26と外周を厚くするのが狙いでした。
黒は脱出できず手を戻さざるを得ず、勢力圏で居直れた白に軍配が上がります。
このサバキを境に、白が一気に押し切り一騎当千の6連勝を決めました。
結果、白中押し勝ち。