第10回穹窿山兵聖杯世界女子選手権決勝戦

崔精九段、3年連続4回目の優勝

11月3日に中国で「第10回穹窿山兵聖杯世界女子選手権」の決勝が行われた。(参照はこちら)
韓国の崔精九段が中国の周泓余五段に勝利し、本棋戦を通算4回目3連覇を果たした。
崔精九段は女流棋戦を圧倒している上、一般棋戦では男女の壁を越えた実力を証明している。
優勝した23歳の女王がこれからどこまで上り詰めるのか、目が離せない。

一方、周泓余五段は17歳、国内の新人王戦優勝を皮切りに快進撃を見せている。
中国女子甲級リーグで10連勝以上しており、トップ棋士の仲間入りと見て良いだろう。
今回は惜しくも準優勝となったが、各棋戦で大きく飛躍していくに違いない。

 局面図1「広大な構想」


黒番が崔精九段、白番が周泓余五段です。
白1、3のツケノビが最近よく打たれる有力な手法です。
黒4に受けず、白5から9と上辺の模様を広げたのがスケールの大きい構想でした。
後に白Aから右上の黒を攻める狙いもあり、白悪くない序盤となりました。

 局面図2「力技炸裂」


黒1は下辺の白を飲み込む狙いをみながら、右辺の白に圧力をかける意図。
黒の勢力圏に見える戦場で、白2から4と強気に応じたのが面白い戦い方でした。


黒5と分断されますが、右辺を捨石に白6から12と右上の黒を攻める構想を描きます。
Aの引き出しを狙うと同時に、▲の飲み込みを見れるので白悪くない戦いと言えるでしょう。
不利に見えた戦場を数手の工夫で、力関係を逆転させることに成功しています。

 局面図3「一瞬の隙」


白1のツケは下辺のシノギを横目に、右下隅で生きを図る好手でした。
ただし、白5に黒6で痺れているため、Aの二段バネで粘るべきだったようです。


白7から11と右辺を抉りますが、黒12から16と受けられて強く追及できません。
白Aは黒B以下と右下の白を封鎖しつつ、右上の黒を助け出されて白苦しい展開です。
秒読みの中、右辺の攻め合いを読み切って活路を見出す崔精九段の勝負強さが光りました。
結果、黒中押し勝ち。

 参考図「シノギの一例」


白1の二段バネが粘り強い好手でした。
黒2から6と強引に取りにくるなら、白7以下と右辺の強化へ回ります。
黒Aなど手入れするのは、白Bと右辺を食い破れるので白満足なワカレです。


黒10と頑張るなら、白11から15が利くので下辺の白が生還します。
ただ、これは長期戦になる道であり、決めにいくなら実戦進行を選びたくなるところ。

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