三々定石のトビ対策

定石の在り方

現代は数多くの定石が表れては消えていく波の激しい時代となっている。
自在に立ち回る力を養うためにも、自力で定石手順を再現できるのが望ましいでしょう。
一手一手を自分なりに解釈し、時代の波に流されないよう精進していきたいところ。

 テーマ図「一間トビの対策」


序盤早々の三々定石で、黒1の一間トビで受ける手法があります。
ただ、他に配石されていない状況では、白2から4と形を決めるのが有力策。
黒の断点を見ているため、左下の白は孤立しても見た目以上に厚い形なのです。


黒5の押しには白6と左辺の黒模様化を防ぐのがわかりやすいです。
黒7に受けず、白8と大場に走れるので足早に展開できます。


黒9から15と右辺に黒陣を敷けば相当に見えますが、構わず白16と地を稼ぎ続けます。
Aの断点やBの打ち込みなどがあるので、白は焦る必要はありません。


黒23と左下の白に圧力をかけられても、白24から28と軽くかわせます。
Aの狙いやB、Cと整形する手段が残っているので、白は弾力ある形となっています。
黒は厳しい攻めが続かないため、右辺の拡大を試みますが――、


黒29、31と模様を拡大されても、白32以下で簡単に模様を消せます。
右上と右下で稼いでおり、右辺に打ち込む必要はなく白打ちやすい局面へ導けます。
三々定石ではよく打たれる呼吸なので、慣れておくと応用が利くはずです。

 参考図1「弾力性の証明」


黒1、3と厳しく迫られた場合、白4のツケが好手になります。
続いて、黒Aは白Bのツケでほぼシノギ形なので――、


黒5と封鎖を試みられても、白6以下で外周の黒が傷だらけになります。
何れかの黒が収拾つかない格好となるので、白成功と見てよいでしょう。


白12から18を決めた後、白20から24と治まるのが冷静です。
黒に封鎖されたような形ですが、A~Cの狙いを見れるため白十分なワカレ。
左下の白は粘りの利く格好であり、黒から厳しい攻めが続きません。

 参考図2「用意された罠」


黒1のカカリは白A、黒Bと左辺を広げる意図です。
ただし、この瞬間に白2と左辺を割って上下の黒を睨むのが好手になります。


黒3と左下から動くのは、白4以下が厳しい追及。
続いて、黒Aと隅の生きを確かめる必要がありますが――、


黒9と手を戻した時に白10から14で外側の黒を取れるのです。
△の配石はこうした変化を睨んだ好点であり、黒も身動きが取りづらい形となっています。

「編集後記」
局面の状況次第では、三々定石での一間受けは有力に働く場合もあります。
ただ、今回紹介したように悪くなる場合もあるので細かく使い分ける必要があるでしょう。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする