三々定石のAI戦術対策

AIは絶対ではない

今回は「三々定石」を囲碁AI・LeelaZeroで調べた場合に出現する変化を紹介します。
AIの周知されていますが、攻め合いなど絡むと正しく評価されないケースが存在します。
現段階の強さでは、AIが良いと判断しても人間の手で調べる必要があるようです。


【テーマ図:囲碁AI推奨のサガリ】
この局面で囲碁AI・LeelaZeroは黒1とスペースを広げる手を推奨します。
左下で攻め合いになった際、黒の懐が広いので「大中小中」で白を取れると見ています。
しかし、外側の攻防によって、白の手数が伸びる可能性が高いため黒は欲張り過ぎでした。
まずはこの形に至るまでの手順を見ていきましょう。



【手順図:三々定石の難解形】
黒1の三々入りに対し、白2から4と受けるのが代表的な手法の一つ。
黒は穏やかな進行もありますが、黒5と難解形に選んだ場合は研究量の勝負になります。


白6と強く受けて、左下隅の死活を睨むのは当然の一手。
黒7から11と外周の傷を突き、互いに薄い格好の状態で難解な攻防へ発展します。


左下の白二子が味良く取られては大きすぎるため、白12と活力を持たせたいところ。
黒13から17と外周に傷を残しながら自身を補強するまでがほぼ一本道の進行です。


白18から黒21の交換を決めた後、白22が個人的にオススメの受け方。
相手の出方を見て、左下の決め方や捨て方などを白が選ぶことができるからです。


黒23の受けが実戦例の多い受け方。
白24から28と手数を増やした後に、黒29とスペースを広げた局面がテーマ図です。
部分的に左下の攻め合いは黒勝ちですが、下辺の黒に寄り付く狙いがあり容易ではない。



【参考図1:力強く封鎖を目指す】
白1、3と下辺の黒にプレッシャーをかけるのは当然の追及。
黒4のスベリに対し、白5と強引に封鎖を目指すのが囲碁AIの意図を崩す厳しい手です。


黒6、8と反撃したいところですが、これには白9と受けるのが好手です。
左下の攻め合いの具合があり、黒は容易でない局面となっています。


黒10以下と下辺の白を飲み込めるので、白ツブレに見えるかもしれません。
しかし、白は右下の五子を捨て石にして、左下の攻め合いに勝つのが狙いでした。


白17、19を決めた後、白21から23と下辺の黒に働きかけて手数を伸ばすのが決め手。
続いて、白A、黒B、白Cが決まると、ダメヅマリにより左下の白が生きるので・・・、


黒24のツギは必須の一手ですが、白25と黒26が決まると白の手数が大幅に増えます。
白27以下と左下の黒を取りにいけば、白一手勝ちとなります。(黒Aは白Bで白二手勝ち)


黒30に白31のツギが冷静な好手です。
黒Aと抜かれても眼ができないので、黒は右下の白五子を取りに行かざるを得ません。


黒32の抜きには、当然白33と打ち欠いて黒の眼を奪います。
黒は左下の白五子を取りにいかなければならず、単に手数を詰めていくのが白一手勝ち。
黒Aのツケが手筋になりますが、白Bと抜かれて黒の負担が重いコウなので黒失敗でしょう。
今回のように、AIが良しとする変化も、並べると実はツブれていることがよくあります。



【参考図2:白の厚いワカレ】
白2のツケに黒3と引くのが手堅い受け方。
しかし、白4の引きに手抜きするのは、白Aが厳しいので手入れが必要です。


黒5と受ける相場ですが、白6から8と右下の黒に圧力をかけていきます。
もちろん、左下の白が取られた損失も大きいですが、外周が厚いので白悪くない展開です。

「編集後記」
囲碁AIは優秀なツールなのですが、猛進すると痛い目に合うのでご注意を。
便利な時代になっても、人間による検証・確認はしばらく求められそうです。

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