三々入りのコツ(1)

大流行の三々戦術

囲碁AIが登場して以来、星へ三々入りする戦術は現代を代表するものとなりました。
ただ、考え方や使い方が難しいと思われて、未だに手を出せない方も少なくないはずです。
そこで、今回は数回に分けて、三々入りの簡単なコツを解説していきたいと思います。
難解な変化に関しては、流行形研究のカテゴリを参照ください。


【テーマ図:局面のコントロール】
初回は「三々入り」の基本的な打ち方の一端を紹介します。
右下に黒が控えている戦況でも、白1と三々入りするのが有力です。
この戦術はなるべく早い段階に入り、相手の出方を見て後の打ち方を変えるのが肝です。


黒2から6と右辺に模様を築くのは自然に見えます。
しかし、白7以下と模様の広がりを制限され、黒石が右辺に偏る効率の悪い序盤となります。
Aの打ち込みなど右辺を荒らす手段もあり、白が足早で打ちやすいと言えるでしょう。
本図のように、黒模様を築く方向がわかるので、白は後出しで対策できるのが自慢。



【参考図1:模様への牽制】
前図を避けるため、黒2から8と厚みを築く方向を変えて模様を築く変化が考えられます。
ただし、白9が右辺の黒地化を牽制しつつ、AやBの打ち込みを狙うのが好点です。
周囲に弱い石がないため、上辺の黒陣へ堂々と入れる碁形を築けています。
黒は大きな地を築く場が消えており、コミの負担が大きくなる展開です。



【参考図2:カカリの欠点】
白1のカカリは人間界でよく打たれていた手法です。
ただ、黒2のハサミが右辺の模様拡大と白に圧力をかける好点になります。
こうした配石では、黒模様を築くお手伝いをする意味があり有力でないようです。


白3から11と右上隅に代わるのは定石ですが、黒12と模様を広げられて互角に近い形勢。
現局面では、▲と△の交換が黒模様拡大に働くため、白は若干損しているかもしれません。
こうなるのであれば、単に三々入りした方が無駄な石がなく白の効率が良いと言えます。



【今回のまとめ】
今回の三々入りは、AとBのどちらか一方に模様を築かせて黒の戦術を狭めるのが狙いです。
相手の選択肢を制限して、自分はそれに合わせて自由自在に立ち回って圧倒します。
現代戦術の特徴は「いかに相手の出方を見るか」ですので、ぜひお試しあれ。

「編集後記」
三々入りの実戦例は多いですが、先の打ち方が難しく敬遠する方も少ないないはず。
今シリーズを通して三々への理解が深まれば、戦術の幅が大きく広ります。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする