進化するハサミ戦術

新戦術の台頭

囲碁AIが登場して数年しか経っていませんが、碁の打ち方が劇的に進化しました。
「短期間で数十年分の進化を遂げた」という意見もあり、困惑している方も少なくないはず。
時代に流れに乗り遅れないよう、新戦術を事前に知っておくことは必須と言えるでしょう。


【テーマ図:ハサミの新戦術】

白2の狭いハサミは下辺の黒模様形成を牽制する意図があります。
黒Aは相手の意図する展開となるため、黒3のトビを選択するのは当然の一手。
ここで、白4と二間ビラキで足早に対応するのが最近よく打たれる戦型です。


右下に黒陣が控えているので、黒4のハサミで積極的に対応したいところ。
それには白6から10と脱出を図り、左下の攻めをにらむ展開を目指します。
黒は白の薄みを突いて、どうサバくかが焦点になりますが・・・。


黒11のツケには強く反撃せず、白12から14と穏やかに受けるのが堅実。
白の態度として、左下の黒を強引に取りにいく必要がないのがポイントです。


黒15から19と治まられますが、白20と自身の安定を図りながら下辺の黒模様化を防げます。
左下の白陣も元々薄い形だったので、石の調子で固められたのが大きく白悪くない展開です。



【参考図1:柔軟にかわす】
黒1、3と強引に突破してきた時の対応策を検証します。
白Aは黒B以下で実利を稼がれながら治まられて白良くないです。


そこで、白4と黒5を交換した後、白6とノビるのが簡明策になります。
AとBの傷を横目に、隅の黒二子を飲み込む構図を描いていきます。


黒7にも強く反発せずに白8と隅から受けるのが穏やかです。
黒9と二子を助け出されますが、白10から12と攻めながら左下の白地化を目指せば白好調。
柔軟に立ち回ることで、黒の強い追及をわかりやすくかわせます。



【参考図2:冷静な石運び】
前図の変化を避けるため、黒2と変化するなら白3と黒二子を制します。
黒4に白Aは黒B以下とシボられるので、白5と下辺の安定を図って力を貯めるのが堅実。


黒6と断点を守るなら、白7から9としっかり形を整えていきます。
白Aなどの狙いによって、左辺方向に黒地が築きづらくしたのが白の自慢です。
また、白は実利を稼ぎながら下辺に厚い形を築いており、バランスの取れた局面と言えます。



【参考図3:足早な展開】
黒1と白2の交換は決めにくい理由があります。
仮に黒3から11と治まった後、下辺の白を補強する必要がないため白12に走られます。
黒は左下のサバキで先手を取るのは難しいため、はっきり出遅れてしまうからです。



【参考図4:定石の改良案】
以上の変化では黒うまくいかないので、最近は黒3のハサミを打たれています。
どうやら、黒Aと白Bの交換は白によって有利に働くと見られているようです。

「編集後記」
今回紹介した定石は、石の距離感を図るのが難しいですが変化自体は複雑ではありません。
実戦ですぐ活用できる類の戦術だと思うので、ぜひお試しください。

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