ツケノビ定石の新型

旧定石の進化

今回紹介する定石は誰しも一度は打つ「ツケノビ定石」です。
囲碁AIの評価が高いのも大きく、現在では様々な局面で使われています。
ただし、ツケノビ定石の対応策も深く研究され、少しずつ打ち方が進化しています。


【テーマ図:ツケノビ定石の見直し】
黒1のツケに白2とノビで応じるのが、最近よく見られる手法です。
以前は黒1に白A、黒Bが定石手順でしたが、今では少しずつ改良されています。
つまり、旧定石の手順では黒悪くないと評価されているようです。(局面によりますが)


外側に傷が残らないように、黒3とツナぐところです。
白4、6に黒7と素直にツグなら、白8と互いに守る無難なワカレになります。
ただし、既に右辺の布陣を生かすのが難しく、白ペースの碁形となっています。


黒9、11と広げても、白12が黒模様を制限しながら白模様を広げる好点になります。
黒13と受けるのが相場ですが、白14と模様に芯を入れれば白好調な展開です。
黒は右下の厚みを活かせない局面となったのが痛いです。



【参考図1:切りの対応策】
白1のハネに黒2と切るのも実戦例の多い変化の一つです。
手順が重要になるので、慎重に対応したいところ。


白3と黒4を交換してから、白5と取りにいくのが大切な手順です。
黒はAの傷を残したくないため、捨て石を活用して整形を試みていきます。


黒8のアテを決めた後、あえて黒10と動き出していきます。
当然、白11から13と取られてしまいますが、先手で傷を守ることに成功しています。
ただし、右下隅に食い込まれており、これも白悪くないワカレと見れるでしょう。



【参考図2:力強く戦う】
前図の変化では黒不満なので、黒2から4と強引に押さえ込んだ変化を検証します。
▲に配石されてても、ここは白5と切りを入れて黒の欠陥を咎めたいところです。


黒6、8と右下隅を補強した後、黒10とツナいで白を分断していきます。
白12まで、下方と右方の面倒を見なければならず、白苦しい戦いに見えますが・・・。


白13と右辺の黒陣を分断してから、白15と頭を出していきます。
黒は浮石がある上、白A以下と眼形豊富な形を築く手段があり白有利な戦いと言えます。
今回のように、強引に対応しても黒は中々戦果を上げることができません。



【参考図3:旧定石は黒有利】
黒1に白2以下と応じる旧定石は、隅が固まるだけでなく右辺の黒模様拡大にも働きます。
状況に応じて、黒Aの切りで相手の出方を見る楽しみもあり、黒有利であるようです。
もちろん、局面次第で善悪は変わりますが、多くの場合は黒不満ないと見れるでしょう。

「編集後記」
ツケノビ定石の手順は変わらないだろうと思われましたが、囲碁AIにより一遍しました。
他の簡明だと考えられている定石も、見直す必要があるかもしれません。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする