中国甲級リーグ2019―第7戦

時越九段が柯潔九段に勝利

6月3日に中国で「中国甲級リーグ」の第7戦が行われた。(参考元はこちら)
不調気味だった中国の時越九段だったが、大胆な捨て石作戦を敢行し柯潔九段を圧倒した。
なお、中国甲級リーグの第8戦は6月10日に中国で行われる予定だ。
以下に本日の結果をまとめたので参照ください。(〇がついた棋士が勝者)

【6月3日(月):第7戦の結果】
<上海建桥学院 vs 拉萨净土>
王星昊―毛睿龙
范蕴若―周睿羊
李维清―姜东润
胡耀宇―〇丁世雄

<山东潍坊高新 vs 成都懿锦控股>
江维傑―古霊益
范廷钰―〇朴廷桓
陳梓健―〇党毅飛
伊凌涛―〇廖元赫

<加加食品天津 vs 江西四特酒>
陳正勋―〇許嘉阳
許尔豪―〇辜梓豪
唐韦星―杨楷文
王泽锦―屠晓宇

<龙元明城杭州 vs 江苏>
夏晨琨―趙晨宇
丁浩―芈昱廷
邬光亚―〇陳賢
李东勋―黄昕

<国旅联合厦门 vs 民生信用卡北京>
彭立尧―〇蒋其润
柯潔―〇時越
范胤―沈沛然
朴河旼―陶欣然

<天津四建 vs 浙江云林棋禅>
刘星―〇童梦成
孟泰龄―金志锡
王世一―〇檀啸
黄静远―〇張涛

<中信北京 vs 重庆>
韩一洲―〇謝赫
陳耀烨―〇杨鼎新
柁嘉熹―何雨涵
金明训―〇李翔宇

<深圳正方园 vs 苏泊尔杭州>
陳昱森―〇李钦诚
申旻俊―〇謝科
严在明―何旸
戎毅―〇連笑

順位 チーム名 勝点 勝星 主将勝星
苏泊尔杭州 17 18
江苏 15 18
成都懿锦控股 14 16 4
民生信用卡北京 14 16
中信北京 13 17
上海建桥学院 13 16
浙江云林棋禅 12 15
重庆 12 14
龙元明城杭州 11 16
10 国旅联合厦门 10 15
11 江西四特酒 10 13
12 拉萨净土 12
13 深圳正方园
14 潍坊高新区 12 0
15 加加食品天津 10
16 天津四建


【実戦譜1:肩ツキの反撃】
黒番が杨鼎新九段、白番は陳耀烨九段です。
黒1の肩ツキに対して、白2の距離感を保って反発する実戦例が増えています。
以前は黒Aが大きいと見られていたが、今では重くして攻める構想を描くようです。


黒5はやり過ぎのように見えますが、最近はあえて白6と切らせる手法が多用されます。
黒7まで、AやBの利きが生じたため、見た目以上に白は強く反撃しづらくなっています。


実戦は白8から16と左方の黒を強く攻め立てます。
黒四子が苦しいようですが、黒は柔軟な立ち回りで難局を収束していきます。


黒17から21と左下隅に食い込みながら、下辺の黒陣を強化するのが好判断。
白22と黒四子を制されるも、黒23と下辺を大きく広げれば黒十分な局面と言えます。
肩ツキへの反撃は様々な局面で用いられますが、本局面ではうまくいかなかったようです。
結果、黒中押し勝ち。



【実戦譜2:サバキへの対抗策】

黒番は辜梓豪九段、白番は謝尔豪九段です。
黒2と根拠を奪いにいった瞬間、白3から5と整形を試みる手法に出ます。
続いて、黒Aと素直に受けるのは白B以下で封鎖されてしまいます。


当然、黒6と封鎖を嫌う進行を選びます。
白7から13と整形されてしまいますが、黒14と下辺に模様を築けば黒悪くない展開。
▲と△の交換が白にとって悪手となっており、黒がうまく対応したと言えそうです。
結果、黒中押し勝ち。



【実戦譜3:シチョウアタリの妙】

黒番は謝科七段、白番は申旻俊九段です。
白1から5は三々定石で表れる代表的な形の一つ。
黒6と相手の出方を見た時、白7が右上の守りと左下のシチョウアタリを兼ねた巧手でした。


△がシチョウアタリに働いているため、白9から15と外回りを厚くする定石を選択します。
また、黒から有力なシチョウアタリがなく、白17と足早に走れたのが大きく白優勢です。
さりげない手ですが、一手で大きな働きを持った面白い手法でした。
結果、黒中押し勝ち。

「編集後記」
いろいろな新型や技が多く現れるので、甲級リーグの棋譜を見るのは刺激的ですね。
特に、三々定石である特定の形が数局現れており、流行形研究で取り上げる予定です。

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