2019博思杯世界囲碁AI大会―五日目

Golaxyが異次元の強さを証明

4月30日に中国で「2019博思杯世界囲碁AI大会」のエキシビジョンマッチが行われた。
囲碁AI大会優勝のGolaxyと呉清源杯ベスト4の女流棋士が2子局で対戦する形である。
出場棋士は中国の芮廼偉九段、王晨星五段、李赫五段、韓国の曺承亞二段(崔精九段の代打)。
それぞれの対局でGolaxyが巧みな技を見せ、圧倒的な実力を示した。
以下に結果をまとめたので参照ください。(左側が勝者)

【4月30日(火):エキシビジョンマッチ(2子局)】
Golaxy―芮廼偉九段(中)
Golaxy―王晨星五段(中)
Golaxy―李赫五段(中)
Golaxy―曺承亞二段(韓)

最近は囲碁AIに勝つよりも、棋譜解析や新型の研究に活用されることが多い。
それ故に、高いレベルになればなるほど、研究の差が大きく表れる時代となっている。
ただ、様々な問題も同時に抱えており、メリットばかりでない課題が残されている。
そういった問題点をどう解決していくか、囲碁界の課題となっているようだ。
さて、対局を振り返っていきます。


【実戦譜1:切れ味鋭い追及】
黒番は芮廼偉九段、白番はGolaxyです。
黒1から7に白Aと守れば穏やかだったが、実戦は白8と連絡を断つ強手で応戦。
左上の黒四子は苦しい格好となっているため、白が戦えると判断しているようです。


黒9の切りは当然の反撃。
ただ、白10から12と左上の懐を広げて、白24まで押し込めば白悪くない戦いになります。
黒はAとBを同時に防ぐことができないため、何れかの黒は取られる格好です。


実戦は黒24、26と白を封鎖する進行を目指します。
白31まで、左辺の黒が取られますが、捨石を活用して外回りを厚くしていきます。


黒28から34と先手で封鎖した後、左辺のダメヅマリを横目に黒36から左上を助け出します。
白37と頭を出すのは仕方なく、黒38と収束していい加減なワカレになりました。
しかし、白39と厚みの働きを削ぎながら安定を図れるので、全局的には白悪くなさそうです。
結果、白中押し勝ち。



【実戦譜2:華麗なサバキ】
黒番は王晨星五段、白番はGolaxyです。
黒1のツケコシが厳しい追及で、左辺に大きな黒地ができたように見えます。
しかし、Golaxyは巧みな石運びでこの難局を乗り越えていきます。


白2の動き出しには、黒11まで封鎖するのが黒の読み筋です。
白四子に脈はないため、白がツブれたように見えますが・・・。


白12のオキは鋭い好手でした。
続いて、黒Aは白B以下と飲み込まれるため、黒は分断できません。


黒13と手を戻して白四子を制すのは仕方ないところ。
白14と地を稼がれた後も左辺の味が悪いため、黒15以下と整形する必要があります。
手番を得た白は、白22と大場に走れたのが大きく、左辺の攻防は白に軍配が上がります。
結果、白1目勝ち。



【実戦譜3:不思議な石運び】
黒番は李赫五段、白番はGolaxyです。
黒1と右辺を大きく囲いにいった瞬間、白2を利かしてから白4と上辺に構えます。
黒陣を固めただけに見えますが、白A以下の手段がほぼ確実に残る長所があります。
かと言って、すぐに右上へ手を戻すのは地合いで遅れるため、しばらく放置するところ。
つまり、黒は中々手を戻せないので、手を残した白の利が大きいと見ているようです。
結果、白1目勝ち。



【実戦譜4:水面下のシチョウアタリ】
黒番は曺承亞二段、白番はGolaxyです。
黒1、3と左上に手をつけた瞬間、白4の動き出しが巧みでした。
続いて、黒Aは白B以下でシチョウが成立するので受けられません。


黒5と手抜きを咎めにいきますが、白6から8と右下を制されたのが大きく白十分。
囲碁AIはシチョウが苦手と言われていたものの、現在では改良されているようです。
結果、白中押し勝ち。

「編集後記」
Golaxyはコミなしにも対応できるようで、2子局などでも問題なく動作しています。
実際、細かい勝負でも1目勝ちしており、コミを増減してもしっかり対応できるようです。

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