第9回中国姜堰黄竜士精鍛科技杯世界女子団体戦ー2日目

万波四段のサバキが炸裂!

4月21日に中国で「第9回中国姜堰黄竜士精鍛科技杯世界女子団体戦」の2日目が行われた。
日本の次鋒・万波奈穂四段が中国の高星四段に快勝し、日本が1勝目を掴んだ。
明日の第5戦では、呉清源杯で優勝した韓国の金多瑛五段と対決する予定だ。
なお、優勝賞金は45万元(約750万円)、1局につき8000元(約13万円)。
以下に本日の結果と戦況をまとめたので参照ください。(左側が勝者)

【4月21日(日):3、4回戦結果】
<第3戦>高星四段(中)ー呉政娥四段(韓)
<第4戦>高星四段(中)ー万波奈穂四段(日)

【日本】謝依旻六段・藤沢里菜四段・万波奈穂四段(1勝)・牛栄子二段・上野愛咲美二段
【中国】於之瑩六段・李赫六段・王晨星六段・高星四段(3連勝)、周泓余三段
【韓国】崔精九段・呉侑珍六段・金多瑛五段・呉政娥四段曹承亚二段

日本の万波奈穂四段は去年の扇興杯を獲得し、勢いのある女流棋士の一人である。
世界的に見ればベテランの枠に入るが、若手棋士に負けない実力を有している。
次戦も厳しい相手だが、今までの経験を活かした打ち回しで勝利してほしいところだ。
さて、対局を振り返っていきます。


【第3戦目:中国流行の打ち方】
黒番は呉政娥四段、白番は高星四段です。
白1の大ゲイマジマリが中国棋士の間でよく打たれる手法です。
以前まで、Aの三々入りが残るなど隅に対して甘いと言われてきました。
ただ、少しでも下辺に開くことで、下辺の黒模様化を強く牽制できる長所があります。


黒2のカカリに白3の三々入りは相手の出方を見る意味が強いです。
黒4から8と先手を取られた後、黒10の両カカリに回られて黒好調に見えますが・・・。


右上に厚みが控えている場合、黒12から16の追及には白17のツケで応じるのが常套手段。
ポイントは上辺方向に黒模様を築かれないような定石選択をすることです。


黒18から24と地を稼がれるのは小さくないですが、白25と上辺を占めることができます。
右上の厚みの働きを削ぐだけでなく、Aの断点を狙える碁形に導けるので白悪くない展開。
中国棋士は囲碁AI・絶芸を使用でき、こうした趣向は絶芸による研究成果かもしれません。
結果、白中押し勝ち。



【第4戦目:華麗なサバキ】
黒番が高星四段、白番が万波奈穂四段です。
白1と黒陣を消しにいった瞬間、黒2から4と強く反撃して戦端が開かれます。
序盤は右下の白をどうシノギ切るかが焦点になっています。


白5、7と形を作りながら、右辺の黒陣を割っていきます。
黒は一等地を大きく削られたため、強く攻めることが求められます。


黒12、14と厳しく眼形を奪っていきます。
黒20まで、ハッキリした根拠がなく白苦しい戦いに見えましたが・・・。


白21から23と右下の黒陣に食い込むのが鋭い着想でした。
部分的には黒24、26が急所ですが、白27が右辺の黒に圧力をかける好手になります。
黒は右辺と右下を破られた上、右辺の黒が窮屈な形となり苦しい戦いを強いられています。


黒28から32と分断していきますが、白33のアテで黒の打つ手が続きません。
たとえば、黒Aのツギは白Bで右辺の黒が苦しい状況に追い込まれます。


黒34と白35を決めてコウ材を作った後、黒36とコウを仕掛けていきます。
黒38のコウ材はできましたが、白41のアテに受けられないのが黒の泣き所です。
黒Aとツナぐのは、コウを抜き返された後にどこも受けてもらえず白Bでシビレます。


黒42とコウを解消するよりなく、白43と抜ければ十分な戦果。
白Aの手段があるため黒44と手を入れますが、白45と右上の攻めに回れば白優勢です。
右下の攻防により、右辺で十分な形を得た万波四段の正確な打ち回しが光った好局でした。
結果、白中押し勝ち。

「編集後記」
日本の万波奈穂四段が勝利し、日本チームが反撃開始します!
優勝するには、最低5勝する必要があるので少しでも多く勝星を稼いでほしいですね。

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