中国甲級リーグ2019―第1戦

中国甲級リーグ開幕!

4月15日に中国・浙江省で「中国甲級リーグ」が開幕した。
世界トップ棋士が集結するこの棋戦は囲碁界最高峰の舞台と言えるだろう。
このリーグに参戦できることが、棋士にとって大きなステータスとなることは間違いない。
なお、中国甲級リーグの第2戦は4月17日に同所で行われる予定だ。
以下に本日の結果をまとめたので参照ください。(〇がついた棋士が勝者)

【4月15日(月):1回戦の結果】
<成都懿锦控股 vs 浙江云林棋禅>
党毅飛―張涛
朴廷桓―檀啸
古霊益―童梦成
廖元赫―金志锡

<江苏 vs 拉萨净土>
黄云嵩―〇周睿羊
芈昱廷―姜东润
陳賢―丁世雄
趙晨宇―張強

<国旅联合厦门 vs 天津四建>
彭立尧―黄静远
柯潔―〇孟泰龄
范胤―〇王世一
朴河旼―李雨昂

<潍坊高新区 vs 苏泊尔杭州>
伊凌涛―李钦誠
范廷钰―〇申真谞
陳梓健―〇謝科
江維傑―連笑

<龙元明城杭州 vs 中信北京>
丁浩―〇柁嘉熹
李东勲―〇陳耀烨
邬光亚―〇韓一洲
夏晨琨―金明训

<江西四特酒 vs 99围棋陕西>
屠晓宇―蒋其润
辜梓豪―時越
許嘉阳―沈沛然
杨楷文―〇陶欣然

<上海建桥学院VS重庆>
李维淸―何雨涵
范蕴若―〇杨鼎新
王星昊―〇李轩豪
胡耀宇―古力

<加加食品天津 vs 深圳正方园>
王泽锦―严在明
謝尔豪―〇申旻埈
陳正勋―戎毅
唐韦星―〇陳昱森

順位 チーム名 勝点 勝星 主将勝星
成都懿锦控股
中信北京
江西四特酒
江苏
苏泊尔杭州
重庆
天津四建
深圳正方园
国旅联合厦门
潍坊高新区
上海建桥学院
加加食品天津
13 99围棋陕西
13 龙元明城杭州
13 拉萨净土
16 浙江云林棋禅

中国の柯潔九段は4月13日に第1回日中韓竜星で優勝し、甲級リーグに参戦する過密日程。
それに加え、大学の入学試験への勉強する必要もあり、囲碁に集中するのが難しい環境だ。
「入学試験もあり、落ち着いて碁を打つのが難しいです」と柯潔九段は前日に語っている。
学業と囲碁の両立をいかに達成するか、今後の動向に目が離せない。
さて、対局を振り返っていきます。


【実戦譜1:柔軟な打ち回し】
黒番は時越九段、白番は辜梓豪です。
黒1の三々入りに白2、4と簡明に受ける実戦例が最近よく見られる手法。
黒5には白6と外して打つことで、外側により厚い形を築こうとするのが白の意図です。
例えば、黒Aには白B以下で実利と厚みのワカレになります。(こちらの記事も参照)


黒7の様子見に白8と大ゲイマで受けたのが面白い着想です。
左上の白は薄い構えなので、黒Aの肩ツキから左辺を消しづらくなっています。
また、左辺の幅が狭くすることで、黒に左辺を割る手を難しくしている意味があります。


黒15と左辺を割りますが、白16と黒Aのノゾキを緩和した後、白18と足早な展開を選択。
相手の出方を見て先の打ち方を決める意図があります。(黒Bは白Cで全局的に黒薄い展開)
黒が左上の薄みを突くのは、左辺の黒に悪影響を及ぼす可能性があり打ち方が悩ましい。
絶妙なバランスを取りながら大場を占める面白い打ち回しでした。
結果、白中押し勝ち。



【実戦譜2:全局的な構想】
黒番が金志锡九段、白番が廖元赫七段です。
黒1と白2を交換した後、黒3と三々入りする実戦例をよく見るようになりました。
左上の定石で白が後手を引くと、黒Aと左辺を占めて黒が足早な展開を築けます。


白4、6と先手を奪った後、白8と左下の黒に圧力をかけながら左辺に白陣を築きます。
左上の厚みと呼応して、見た目は白好調な展開に見えますが・・・。


黒9と大場に走って、下辺の白模様化を牽制していきます。
白10は左辺重視の好点ですが、黒11の動き出しを仕留めるのが難しいというのが黒の意図。
黒は地を稼ぐだけ稼ぎ、最後に模様を大きく削って勝つ方針を取っています。


ここで、白12から14と大きく勢力圏を広げるのが明るい発想でした。
たとえば、黒Aと下辺の白地化を防ぐなら、白Bと左辺の模様を広げていきます。
下辺方向からの進出をほぼ止めており、白模様は見た目以上に深いのが白の自慢。


実戦は黒15と左辺の広がりを牽制する方針を選択。
白16から20と押さえ込んだ後に、白22と下辺の模様化に先着していきます。
黒の実利も相当ですが、自然な流れで下辺を白陣にできたので白悪くない展開でしょう。
結果、白中押し勝ち。

「編集後記」
今年は男子と女子の甲級リーグをそれぞれ追っていこうと思います。
新しい形や面白い着想がたくさん見れるので、棋譜チェックは欠かせません。

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