三々定石の特徴

三々定石の発想

三々定石は今では常識となった戦術だが、その概念は非常に難しいものである。
難解な変化が多いと知識でわかっていても、なぜそう打つのかわからない方もいるはず。
直接勝敗に結び付く訳でないが、三々定石が進化し続けている大まかな概念を紹介する。


【テーマ図:三々定石の出発点】
現在、黒1の三々入りが主流であり、星へカカるのが珍しくなり始めています。
一つの理由は、カカリを打つと相手にいろいろな選択肢を与えてしまうからです。
一方、三々入りはAかBの選択肢しかなく、相手に取れる戦術の幅を制限できます。


白2から6と厚みを築く進行を選ぶなら、黒7から9と先手で生きを図ります。
左辺の模様が深く見えますが、焦らずに黒11、13と上辺に黒陣を築くのがわかりやすいです。
一時前は左辺に白模様を築かれて黒良くないと考えられてきましたが・・・。


白14と模様を築いても、黒15が上辺の黒陣を広げながら白模様を制限する好点になります。
白はこのまま左辺を広げても軽く消され、放置していると黒A、白B、黒Cと荒らされます。
白に左辺へ模様を築いても、黒は局面をうまくコントロールできます。



【参考図1:大同小異】
白2、4と先手を取った後、白6と左辺に構えるのも考えられます。
前図と違って、一手早く左辺に模様を築けるので、白悪くないように見えるかもしれません。


多少状況が変化しても、黒7から11と左上に先着すれば足の速い展開に持ち込めます。
依然、白は左辺に石が偏っている上に、AやBを狙われるので気分は良くない展開です。



【参考図2:手堅い石運び】
以上より、白2と押さえるのが無難な進行となります。
難解な進行を避けるため、白4と受けるなら黒5と地を稼ぎながら治まります。
白6と下辺を広げるのに対し、黒7と下辺を割るのが簡明策です。


白8と隅に入るなら、黒9から17と後手でも手堅い形を築くのがポイントです。
左下の白が孤立しているので、中盤以降に強く戦える態勢を整えることができます。
互角に近い形勢ですが、コミの負担が重い黒として互角になれば十分と言えます。



【参考図3:バランスを保つ】
蛇足ですが、白1と両カカリを打つなら、黒2から8と整形していきます。
下辺に黒がいるので、左下の白を孤立できている上、AやBの決め方があるのが強みです。
もちろん、距離感を絶妙に難しい碁になりますが、先の長い碁に持ち込めます。



【参考図4:可能性が大きい】
何れも黒に一局の流れをコントロールされるため、白2から4と受けることが多いです。
まずは簡明な進行になった場合を検証していきます。


黒5、7はわかりやすい受け方ですが、白に選択肢を与える短所があります。
たとえば、状況次第でAやBと形の決め方を変えられるのが白の自慢です。


一例は、白8と黒9を交換してシチョウ関係を良くしてから白10と形を決める変化です。
黒11と受けるなら白12と左下の形を決めていきます。


黒13と反発するところですが、白14から22とシチョウ関係が良いので厚い形を築かれます。
今回の進行のように、シチョウの優劣が変わるだけで部分的な変化に影響を及ぼします。
こうした変化を見られるので、黒としては相手に選択肢を与えない対応を試みたいところ。


【参考図5:難解形の入口】
そこで、黒も相手に主導権を握られないように黒5と強く追及するのが現代の研究課題です。
この形は難しい戦いにするためでなく、相手に主導権を取られないための反発だったのです。
これの難解形はカテゴリ「流行形研究」に載せていますのでご覧ください。

「編集後記」
明日からLG杯の統合予選が開幕します!
前回は枠抜けまで後1勝のところまでいったので、今回は枠抜けしてほしいところ。
また、新初段の方も参戦するなど、いろいろな面で注目の予選ですね。

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