World Go Championship2019ー1回戦

日本・井山九段が準決勝進出!

3月18日に日本棋院で「World Go Championship2019」の1回戦が行われた。
日本の井山裕太九段が中国の強豪・江維傑九段に快勝し、準決勝へ勝ち上がった。
持時間は各3時間(残り5分から1分の秒読み)、日本ルール(コミ6目半)で行われた。
優勝賞金は2000万円、準優勝500万円、準決勝敗退200万円、1回戦敗退50万円だ。
以下に本日の結果と明日の組合せをまとめたので参照ください。
※「日本棋院囲碁チャンネル」で生中継、動画があります。

【3月18日(月):本戦1回戦の結果】
朴廷桓九段(韓)―廖元赫七段(中)
申眞諝九段(韓)―張栩九段(日)
柯潔九段(中)―劉昌赫九段(韓)
井山裕太九段(日)―江維傑九段(中)

【3月19日(火):本戦準決勝の組合せ】
朴廷桓九段(韓)―申眞諝九段(韓)
井山裕太九段(日)―柯潔九段(中)

準決勝は日本序列1位、中国ランキング1位、韓国ランキング1位2位が集結する頂上決戦。
近年、日本は世界戦で苦戦が続いていただけに、準決勝進出は大きな一歩と言えるだろう。
次の相手は世界タイトルを次々に獲得している柯潔九段だが、勝利を掴んでほしいところだ。
さて、対局を振り返っていきます。


【実戦譜1:新手法の挑戦】
黒番は井山裕太九段、白番は江維傑九段です。
左上の厚みを背景に、白2のハサミを選択するのは自然な石運び。
ここで、黒3と少し離して両カカリするのが比較的珍しい戦型です。
簡単に説明すると左辺側に厚みを作られた際、厚みに離れていた方が得という意図です。


白4は下辺の黒を重くしてから戦う意図があります。
例えば、黒Aと応じるのは白Bと左辺の黒の根拠を奪われて、若干黒不利な戦いです。
白の意図を崩すために、実戦は黒5から7と左下隅に食い込む流れになりました。


白8、10と左下を補強していきます。
黒11は左下の白にプレッシャーをかけることで、左下の黒へ強く反撃しづらくしています。
白18まで、互いに弱い石を補強する相場の展開となり、落ち着いたワカレになりました。
続いて、黒Aなど下辺に構えるのが穏やかですが、実戦は厳しい手を選択します。


黒19が井山九段らしい石運びです。
白Aと受けるなら黒Bと下辺を拡大しながら、白の傷を睨めます。
左下の白に連絡されても、左下の黒へ響かないので白にダメ場を打たせる意味もあります。


当然、白20のワリ込みと反発するところ。
ここでも、井山九段は妥協せずに黒21、23と左下の白へプレッシャーをかけ続けます。
状況次第では黒Aと分断する手段も考えられるため、見た目ほど余裕のある形ではないです。
かと言って、白Bの切りなど薄みを突くのは、黒Cと下辺を固める調子を与えて白良くない。


実戦は白24のノゾキから手をつけていきます。
黒25のツギは形の悪い形ですが、下辺の連絡を妨げて白を攻める厳しい良い面もあります。
黒31まで、黒A以下の出切りを見ながら下辺の白を狙える戦況となり、互角に近い戦いです。
コミ6目半の負担がある黒は、序盤で互角に持ち込めれば作戦成功と見て良いでしょう。
結果、黒中押し勝ち。


【参考図:白の意図】
黒1と受けたくなりますが、白2から6と強引に分断されてしまいます。
左辺の黒を追及しつつ、白Aと下辺の黒を攻める構想を描かれては黒苦しい戦況です。



【実戦譜2:研究済みの進行】
黒番は劉昌赫九段、白番は柯潔九段です。
黒2は右上のシマリとの幅が良いので、黒悪くない展開に見えるかもしれません。
しかし、シチョウは白良しであるため、白3が有力手段であり白良しへ収束します。


シチョウが良い場合、白5から7と受けるのが有力策。
黒8と受けざるを得ないが、白9のツケが用意されていた好手でした。
数年前に発見された手法で、黒の受け方を見て白A以下の出切りを打つ狙いがあります。
右下を食い破られるのは大きすぎるので、黒としては強く反撃したいところ。


黒10には白11の切り違いから右辺を整形します。
部分的には黒12から16とシチョウで抱える厚い形となり、黒不満ない形に見えますが・・・。


白17、19と次々に大場を占めることができるのが白の自慢。
黒は部分的には悪くないですが、全局的には大いに出遅れてしまっています。
右辺の黒陣は白Aから削る手があり、見た目ほど大きくないのも黒の泣き所と言えます。
また、白は弱い石がないので、右上の黒模様を広げられても容易に消せるので白優勢です。
結果、白中押し勝ち。



【実戦譜3:巧みなシチョウアタリ】
黒番は張栩九段、白番は申眞諝九段です。
白1の切りを入れるのが左下のシチョウを見た好手でした。
黒2と受けるよりなく、白3が成立して左辺に白模様を築くことに成功しています。
結果、白中押し勝ち。

「編集後記」
井山九段は1回戦で持ち味を十二分に発揮して勝利を掴めたのは非常に大きく感じます。
コメントでも「自信になった」といっており、手応えを感じているようです。
明日の準決勝でもこの調子で頑張ってほしいですね。

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