World Go Championship2019ーPre-event

中国・芮廼偉九段+Golaxyペアが優勝

3月17日に第一ホテル東京で「World Go Championship2019」のプレイベントが行われた。
イベントは日本、中国、韓国、中華台北の女流棋士が囲碁AIと組んだペア碁対局だ。
各国のペアがトーナメント戦で競い、中国の芮廼偉九段+Golaxyペアが優勝を飾った。
持時間は秒読み30秒+1分の考慮時間10回、日本ルール(コミ6目半)で行われた。
賞金は優勝60万円、準優勝40万円、初戦敗退は20万円である。
以下に結果をまとめたので参照ください。(左側が勝者)

【3月17日(日):ペア碁1回戦】
芮廼偉九段+Golaxy(中)―楊子萱二段+CGI(台)
金彩瑛五段+Dolbaram(韓)―万波奈穂四段+AQ(日)

【3月17日(日):ペア碁決勝戦】
芮廼偉九段+Golaxy(中)―金彩瑛五段+Dolbaram(韓)

日本勢、世界に存在を示せるか!

同日に明日から行われる本戦の組合せ抽選会と記者会見も行われた。
井山九段「江維傑九段の最近の碁は素晴らしく、大変な相手だが、力を出し切って戦いたい」
張栩九段「申眞諝九段とは初めての対局。自分らしい納得できる碁を打ちたい」
日本の出場棋士2名が明日の対戦への抱負を述べていた。(会見の様子はこちら参照)
以下に明日の組合せをまとめたので参照ください。

【3月18日(月):本戦1回戦の組合せ】
朴廷桓九段(韓)―廖元赫七段(中)
張栩九段(日)―申眞諝九段(韓)
柯潔九段(中)―劉昌赫九段(韓)
井山裕太九段(日)―江維傑九段(中)



【実戦譜1:機敏な石運び】
黒番は芮廼偉九段+Golaxy、白番は金彩瑛五段+Dolbaramです。
白1のツケに受けず、黒2が囲碁AIが放った機敏な一着でした。
下辺の動き出しや利きを消すことで、下辺の白の薄みを強調する意図があります。
当然、白3から5と右上で稼がれますが、黒6で下辺の白を追及して戦いの流れを掴みます。


白7と抵抗するも、黒8から12と頭を出されて収拾のつかない格好です。
白はAとBの傷を同時に守れないため、かなり厳しい戦況になっています。


白13と守るなら、黒14から20と外の傷を残しながら下辺を補強していきます。
白21のカケツギは仕方なく、黒22と下辺の白を飲み込めば実利が大きく黒優勢です。
囲碁AIの冷静な一着が、局面を一気に制圧する突破口になりました。
結果、黒中押し勝ち。



【実戦譜2:大胆な構想】
黒番が芮廼偉九段+Golaxy、白番が楊子萱二段+CGI(台)です。
白1から5の出切りに、黒6のノビを選択したのが囲碁AI特有の柔らかい発想です。
下辺のダメヅマリにより、白Aが筋に入って人間的には怖い進行に見えますが・・・。


白7、9が下辺の欠陥を突く手筋です。
黒10と切りを入れても、白11でAとBの何れかを打てば黒を取れる格好となっています。
普通はこの地点で白成功と見るべき形ですが、この先の構想こそが黒の狙いでした。


黒12から18と中央を厚くしながら、左下を守るのが黒の意図した進行です。
白19と左下を守ると同時に左上の黒を睨めば、白悪くない展開に見えるかもしれません。
ここで、黒20から22と右辺を大きく囲いにいったのが好判断で、互角に近い形勢です。
黒は大胆な構想で、白の意図した変化のさらに上をいく石運びをみせました。
結果、黒半目勝ち。



【実戦譜3:シチョウが読めない】
黒番は金彩瑛五段+Dolbaram、白番は万波奈穂四段+AQです。
シチョウが悪いにも関わらず、黒1と逃げ出してしまうのは囲碁AIの欠点です。
長手順の一本道の変化は、囲碁AIにとって読むのが困難であり時々現れる現象の一つ。
大局観は人間の域を超えたと言っても良いですが、手所のミスはまだあるようです。
結果、黒中押し勝ち。

「編集後記」
明日からワールド碁チャンピオンシップ2019の本戦が開幕します。
日本の棋士がどこまで世界と戦えるのか、注目していきたいと思います。

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