SENKOCUP女流最強戦2019―準決勝

決勝戦は於之瑩六段vs崔精九段

2月23日に日本棋院で「SENKOCUP女流最強戦2019」の準決勝が行われた。
日本の佃亜紀子五段は中国の於之瑩六段に敗れ、三位決定戦へ進むことになった。
明日行われる決勝戦では、世界女流棋士二強の於之瑩六段と韓国の崔精九段が激突する。
以下に結果と明日の組合せをまとめたので参照ください。(左側が勝者)

【2月23日(土):準決勝の結果】
於之瑩六段(中)佃亜紀子五段(日)
崔精九段(韓)―黒嘉嘉七段(台)

【2月24日(日):決勝、三位決定戦の組合せ】
<決勝戦>於之瑩六段(中)崔精九段(韓)
<三位決定戦>黒嘉嘉七段(台)―佃亜紀子五段(日)

準決勝の両局とも勝負所の紙一重で抜き去る大熱戦を繰り広げた。
しかし、実力はほぼ均衡していようとも、結果を出せるか否かは雲泥の差と言えるだろう。
この差を埋めることこそが、世界戦で勝ち続けられる大きな要因なのかもしれない。
さて、対局を振り返っていきます。


【実戦譜1:流行形のオープニング】
黒番は黒嘉嘉七段、白番は崔精九段です。
黒1から5は流行している布石で、黒番の数少ない有力戦型の一つです。
白Aの実戦例が多いですが、崔精九段は白6と高いカカリを選択します。
地に甘いと思われる傾向があり、最近ではあまり見られなくなりました。


高ガカリに対して、黒7の下ツケで実利を稼ぐのが最も多く打たれる受け方。
白8は昔からある手法で、黒Aと受けるなら白Bと下辺方向を厚くする意図があります。
黒も白の意図を崩すために、ここは強く応じていかなければなりません。


黒9が最も白に響く受け方です。
当然、白10から12と押さえ込まれても、黒13で互いに傷がある難しい戦いに引き込めます。
大ナダレ定石と呼ばれる形で、この流行形で時々現れる難解定石の一つです。


白14、16に黒17の内マガリで応じる定石を選択します。
白18の切りを入れてから白20と手数を伸ばすのが、この定石の大切な手順です。
仮に白18で20から形を決めると、白18の切りに黒Aと受けられて黒の実利が大きい。


白20、22を利かしてから、白24と下辺の整備に手を戻します。
黒25とツイだ瞬間、白Aと反発するのも十分考えられる展開でした。
続いて、黒Bなら白Cと下辺の黒四子を制して、白の実利が大きいからです。
ただし、白22と黒23の交換がハッキリ白にとって悪手となっており、優劣の判断が難しい。


実戦は白26と右辺を守る進行を選択します。
黒27から31と自陣を整形しながら、白へプレッシャーをかけていきます。
白32、34と右下の形を決めた後、白Aと懐を広げて守れば無難でしたが・・・。


白36、38とさらに形を決めていきます。
しかし、黒39の切りで先手を取られるため、黒41と中央に先着されて少し白不満です。
右辺で二眼を確定しても、中央の主導権を握れないと黒の実利が活きる展開となるからです。
▲が左上の守りに働いているので、黒45から47と要所を次々に占めることに成功しています。
結果、白2目半勝ち。



【実戦譜2:逆転のチャンス】
黒番が於之瑩六段、白番が佃亜紀子五段です。
佃五段は序盤で苦しい展開でしたが、中盤終わりまで持ち応えて細かい形勢に持ち込みます。
黒1、3と左辺を守った時に、白4とさらに地を稼いだのが敗着となったようです。
黒5と左辺から中央の白に絡まれて一気に苦しい戦いに引き込まれてしまいました。
結果、黒中押し勝ち。


【参考図:極細の形勢】
白1と中央を守れば、相当に細かい形勢だったようです。
仮に黒2と上辺を占めるなら、白3から5を決めた後に白9から上辺の黒陣を削ります。
これで結果がどうなるのか、見て見たかったですね。

「編集後記」
どちらの碁も見所満載のハラハラする内容になっています。
明日の決勝戦、三位決定戦ではどのような碁を見せてくれるのか、楽しみですね。

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