SENKOCUP女流最強戦2019―1回戦

佃亜紀子五段がベスト4進出!

2月22日に日本棋院で「SENKOCUP女流最強戦2019」の1回戦が行われた。
本大会は扇興杯ベスト4と各国を代表する女流棋士4名で世界一の座をかけて争われる。
佃亜紀子五段、万波奈穂四段、上野愛咲美二段、牛栄子二段が出場し、佃五段が勝ち進んだ。
以下に結果と明日の組合せをまとめたので参照ください。(左側が勝者)

【2月22日(金):1回戦の結果】
佃亜紀子五段(日)―ナタリアアマ五段(欧)
於之瑩六段(中)―万波奈穂四段(日)
黒嘉嘉七段(台)―上野愛咲美二段(日)
崔精九段(韓)―牛栄子二段(日)

【2月23日(土):準決勝の組合せ】
佃亜紀子五段(日)―於之瑩六段(中)
黒嘉嘉七段(台)―崔精九段(韓)

世界的に女流棋士のレベルが急激に上がっており、男性との差がほとんどなくなっている。
特に韓国の崔精九段と中国の於之瑩六段は一般の世界戦でも本戦16強入りの実績がある。
準決勝ではそれぞれの棋士がどのような戦いを見せるのか、注目していきたい。
さて、対局を振り返っていきます。


【実戦譜1:ツケノビ定石の再来】
黒番が上野愛咲美二段、白番が黒嘉嘉七段です。
黒1、3はツケノビ定石と呼ばれる昔からある定石の一つです。
互先の序盤では相手を固めて悪いと言われたが、現在では評価が見直されてよく打たれます。


序盤の早い段階で、黒7と形を決めにいくのが上野二段が用意していた手法。
白8、10と上辺の白陣を固めたように見えますが、黒11の切りが狙いの手筋になります。
白Aと受けるなら、黒Bの傷を防ぐと同時に右辺の黒模様を広げた構図を描けます。


黒の意図を崩すため、白12と反発していきたいところ。
当然、黒13と右上の白二子を飲み込まれますが、白14と中央を占めるのを優先します。
白は右辺の黒模様を拡大を牽制し、相手の勢力圏で戦わずに済む碁形を目指しています。
黒嘉嘉七段の持ち味であるバランス感覚が現れた局面と言えそうです。
結果、白中押し勝ち。



【実戦譜2:金毛流の流行】
黒番が於之瑩六段、白番が万波奈穂四段です。
黒1から5までの形は、囲碁AI・金毛試測がよく打つ黒番戦術です。
世界的にもよく打たれており、他の戦型と比べて序盤から大きく崩れにくい特徴があります。
多くの戦型が駆逐されていく中、珍しく長い間打たれている戦型です。


白6から10が金毛流への対抗策の一つ。
黒Aと圧力をかけた瞬間、白Bと手をつける狙いがありすぐに右辺へ追及しづらいです。
白14まで、黒は序盤で形勢を離されないのが意図であり、作戦としては成功していそうです。
大抵の戦型は序盤の段階で優劣が表れる場合もあるので、黒番の優秀な戦術と言えます。
結果、黒中押し勝ち。


【参考図:後の狙い】
右上の形について、タイミングを見て白1とワリ込む狙いがあります。
黒2、4と応じられると、右上の白が身動きの取りづらい格好に見えますが・・・。


白5、7と手数を伸ばしてから白9と引っ張り出すのが常套手段です。
次に白Aと打たれると黒二子を取られてしまうので、黒は手を戻す必要があります。


黒10など手入れするのは仕方ないところ。
白11、13と右辺を先手で固めた後に、白15と右上の厚みを牽制するのが相場の流れです。
これも互角に近い進行ですが、若干白が足早に展開できているように見えます。

「編集後記」
明日はSENKOCUPの準決勝が行われます。
前回大会では日本はベスト4で姿を消したので、今回は勝ち進んでほしいところです。

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