第23回LG杯朝鮮日報棋王戦本戦決勝(3)

新鋭の楊鼎新が世界タイトル奪取!

2月14日に韓国棋院で「第23回LG杯朝鮮日報棋王戦」の決勝三番勝負第3局が行われた。
中国棋士同士の決勝は、20歳の楊鼎新七段が時越九段に快勝し初の世界タイトルを獲得した。
1998年の生まれの楊鼎新、辜梓豪、李欽誠、謝爾豪はいずれも世界戦を優勝している。
この世代はまだ20代になったばかりで、これから大きな活躍を見せていくはずだ。
では、対局を振り返っていきます。


【実戦譜:全局的なバランス】
黒番は時越九段、白番は楊鼎新七段です。
黒1の三々入りは現代を代表する代表的な手法です。
右下に厚みを築かれても、▲の配石により厚みの働きを軽減できる意図があります。
したがって、白は手厚い定石を選択するのは得策ではないので・・・。


白2から6と右下隅の実利を確保する定石を選ぶのは当然の進行。
この碁形のように、右辺と下辺に白模様を築きづらい場合は実利重視で打つのが無難です。


白12まで、白は実利を確保し、黒は下辺に黒陣を築くワカレになるところ。
黒13と大場に走った瞬間、白14が下辺の発展性を制限しながら右辺拡大を見た好点でした。
次に白Aと右下の黒にプレッシャーをかける狙いもあり、白の楽しみが多い碁形です。


黒15、17とツケ二段で形を決めるのが主流の打ち方です。
いくつかの受け方がありますが、実戦は白18と左上隅を重視した手を選択します。
序盤でしっかり実利を稼いで、中盤から左辺を荒らしにいく展開を目指しているようです。


黒19から23と形を決めてから黒25と左辺に構えて黒陣を形成されます。
ただ、白は手番を得たので、待望の白26に先着することでき依然として白悪くないです。
続いて、黒Aは白Bと受けられて左辺の黒陣が薄くなるため、黒は工夫したいところ。


素直に受けては活路を見出せないので、黒27から29と積極的に白へ働きかけていきます。
白Aなら黒Bと生きを確保しつつ、外側の傷を睨めるというのが黒の主張です。
白も後手を引くと、黒に右辺など占められてしまうので容易ではありません。


白30、32と強く受けて、右下の黒にプレッシャーをかけます。
黒33から35は石の調子を求めても、白36でAとBを見合いとなり黒苦しい戦況です。


黒37、39と下辺を固めながら右下を助け出します。
白40まで、黒三子を制した白の戦果が大きく、右下の攻防は白悪くないワカレです。
ただ、Aの狙いやBの利きを見て、黒Cなど追及する手段が考えられるため難しい局面です。
この先も難しい戦いが続きましたが、白番の楊鼎新七段が冷静に収束して栄冠を掴みました。
結果、白中押し勝ち。



【参考図:厚みが活きない】
白2から10と厚みを築くのは工夫不足です。
黒11と右辺を占められて厚みが活用しづらい上、黒A以下の追及手段が残るのが痛い。

「編集後記」
楊鼎新七段は同い年の若手が次々に世界戦を優勝する姿を見て、焦りを感じていたはず。
今回でようやく自信をもって肩を並べたと言える実績を作り、ほっとしたと思います。
これを機に、他の世界戦でどのような活躍を見せるのか注目していきたいです。

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