ツケ二段の有力戦型(2)

駆逐される従来戦術

最近は誰しも囲碁AIを手軽に使えるようになり、代表的な戦術は対策されつくされた。
新しい戦型が出る度に、研究されて廃案となるため流行も数日から一週間単位で変化する。
囲碁AIの示す代表的な進行を知らなければ、対局前に差が生じるのが厳しいところだ。
これからは囲碁AIの活用による事前準備が今まで以上に求められるかもしれない。


【テーマ図:進化し続ける戦術】
黒1、3に素直に対応していては、前回のように黒良しの変化へ誘導されてしまいます。
そこで白の対応策として、白8から10と手厚く押し切る代案を囲碁AIは示しています。
左下の黒を固める短所よりも、左辺の黒陣拡大を防ぐことを優先した打ち方です。
続いて、黒Aと受けるのは白Bなど大場に回られてしまうので・・・。


黒11と左辺を大きく囲う構想を描きます。
当然、そのまま黒地になっては大きすぎるので、白12の切りから反撃するところ。
黒15と白16を交換した後、黒17と封鎖するのがこの際は適しているようです。
外回りに傷を残さずに左辺に厚い形を築くための工夫です。


白18、20と相手の出方を見るのが面白い受け方。
白Aと生きを図るか、Bと外から形を決めるか、使い分ける意図があります。
黒は後手を引いてはいけないため、先手で左辺を封鎖しようと試みますが・・・。


黒21と出た瞬間、白22と隅から形を決めるのが機敏です。
見た目は黒23と白三子を取られて、黒もそれなりの戦果に見えるかもしれません。


白24、26と手数を増やしていきます。
左辺の攻め合いがコウになってはいけないため、黒27と手堅く手入れするところ。
ここで白Aの差し込みを横目に、白28と上から利かすのが絶好の好点になります。
黒29など受けざるを得ませんが、Bの連絡やCの締め付けが残っていて白悪くないワカレ。
現代はこうした研究がすぐさまできるため、形の決まった戦術は簡単に対策されます。



【参考図1:黒の意図した進行】
白1、3と素直に受けるのは工夫不足。
黒4で左辺が傷のない厚みを築かれてしまうため、互角に近いワカレに誘導されます。
前図の進行は、こうした明らかに厚い形を築かせないための工夫だったのです。



【参考図2:厚みの傷残り】
テーマ図の進行を見た時、黒2と白3の交換を決めた方が良いと考えた方も多いはず。
一見すると問題なさそうに見えますが、これは左辺の黒のダメヅマリが気になります。


白7、9と生きを確保した後、白11のワリ込みから左辺の隙を突かれます。
この時に▲と△の交換が左辺のダメヅマリを誘発して傷口を深くする悪手になっています。


黒14と守るのが相場ですが、白17と左辺の黒に圧力をかけながら自身を補強するのが好手。
続いて、黒Aは白B以下で耐えているため、黒は強く反撃することができません。
細かな手順ですが、細心の注意を払う必要があります。

「編集後記」
今回のように、簡単に囲碁AIで対策案をいくつも出すことができる時代です。
本当の意味での純粋な力が求められる時代なのかもしれません。

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