第3回ワールド碁チャンピオンシップ国際予選(5)

日本勢、国際予選突破できず

1月29日に日本棋院で「第3回ワールド碁チャンピオンシップ」国際予選決勝が行われた。
日本勢はシニア枠の決勝戦で結城聡九段が敗れ、国際予選突破できず無念の敗退となった。
シード選手と予選突破者が出場する本戦は、3月18~20日に日本棋院で行われる予定だ。
以下に結果をまとめたので参照ください。(左側が勝者)

【1月29日(火):一般枠A決勝】
廖元赫七段(中)―時越九段(中)

【1月29日(火):一般枠B決勝】
江維傑九段(中)―楊鼎新七段(中)

【1月29日(火):シニア枠決勝】
劉昌赫九段(韓)結城聡九段(日)

【本戦出場者一覧】
中国:柯潔九段、江維傑九段、廖元赫七段
韓国:朴廷桓九段、申真諝九段、劉昌赫九段
日本:井山裕太九段、張栩九段

本戦に出場する名だたるメンバーの中、日本はシード選出として井山九段と張栩九段が出場。
日本勢は国際予選で苦しい結果になったので、その記憶を払拭する活躍を期待したい。
最近は中韓の勢いが増しており、本棋戦で日本の存在感を示してほしいところだ。
さて、対局を振り返っていきます。


【実戦譜:地に辛いワカレ】
黒番は結城聡九段、白番は劉昌赫九段です。
黒1のカカリに白2と挟んで応じるのは、最近では非常に珍しい手法。
様々な手段が研究されたことにより、黒悪くないワカレになることがわかっているからです。


黒3に白4、6と分断するのは当然の態度。
ここで、黒7など左上隅に食い込んで治まる図を目指すのが好判断です。
元々、白石が多い戦場なので、実利を持ちながらシノげれば黒悪くないワカレになります。


白8から12と外周を厚くする進行を選択。
ただし、黒13の切りで左上の白二子をほぼ取れる形になるので、黒の実利も相当です。


白14、16と左上の白を捨て石に外を厚くしていきます。
黒17と応じた瞬間、白18から20と相手の受け方をきくのが常套手段です。
続いて、黒Aは白Bの切りで必要以上に外周を厚くされてしまいます。(参考図を参照)


白の意図を崩すため、黒21と間髪入れずに左上の白を取りにいきます。
白22と取り込んでも、黒23と石塔シボリの筋に持っていけば白を取ることができます。


黒25、27を決めた後に黒29と取りにいったのは焦り過ぎだったかもしれません。
白30でAとBが見合いとなっており、左上の白を大きく飲み込みにいけません。


黒31、33と白四子を抜けましたが、白も左上を助けながら厚くしたので互角に近いワカレ。
全局的には黒悪くないものの、局地戦でもう少し黒の良い図があったかもしれません。
この後、中盤のねじり合いで劉昌赫九段の追及をシノギ切れず敗退となりました。
結果、白中押し勝ち。



【参考図1:締め付けが決まる】
黒2と素直に受けるのは白の意図にハマります。
白3、5と切られた際、黒Aと取りにいくと白B以下符号順で黒窮しています。


黒6、8が攻め合いの手筋で左上の白を取れますが、白9が利くのが黒の泣き所。
黒が手抜きすると、白A、黒B、白Cで二段コウに持ち込まれて黒ツライ格好です。
白に外周を厚くされてしまうため、実戦は強く反発していきました。



【参考図2:大きく取り込む】
黒1を決めてから、黒3と取りにいく変化もあったかもしれません。
白4に黒5と受ければ左上を大きく飲み込めるので実戦より優っているように見えます。

「編集後記」
国際予選は残念な結果となりましたが、本戦ではきっと奮闘してくれるはず。
3月の本戦での井山九段、張栩九段の活躍に大いにきたいしています!

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