記念対局【崔精九段vs仲邑菫新初段】

世界トップの壁を痛感

1月23日に韓国棋院で韓国の崔精九段と仲邑菫新初段の記念対局が行われた。
今回、仲邑菫新初段が訪韓する機会に合わせて、韓国棋院より企画されたもの。
一局を通して、仲邑菫新初段が苦しい時間が長く、無念の敗退となった。
なお、持時間は各1時間+30秒の秒読み、コミなしで行われた。

局後のインタビューで崔精九段が以下のコメントをしている。
「彼女はプレッシャーがあり実力を発揮できなかったように思えます。
ただ、自分に自信を持っていますし、高い潜在能力があると感じました。
それがこれから成長する糧になると思います」

張栩名人の試験碁や井山棋聖との公開対局、そして、崔精九段の記念対局。
世界トップ棋士と対峙して、何かしらの手応えや足りないものが見えたはず。
正式な入段は今年4月となるので、それまでにどこまで成長できるのか注目していきたい。
さて、対局を振り返っていきます。


【実戦譜:仲邑菫流の布石】
黒番は仲邑菫新初段、白番は崔精九段です。
黒1から5の構えは井山棋聖や張栩名人にも仕掛けており、得意とする戦法のようです。
黒5が小目に近い分、右下の戦いで有利に戦いやすい長所があるのかもしれません。


白6は地を稼ぐと同時に、右下の黒陣拡大を牽制したもの。
黒7に受けると右辺に立派な構えを築かれるので、白8と反発していきます。
これは黒Aの両カカリを誘う意味もあり、見た目以上に高度な戦術です。
よって、最近は黒9と三々入りで実利を確実に取る進行が多いです。


白10から14と遮った後に、白16と応じるのが最近の打ち方です。
続いて、黒Aと穏やかに受けるのは、白Bで好形を許すため黒は工夫していきます。


黒17と動き出して相手の形を崩していきます。
白18と黒19を交換して黒を少しでも大きくしてから、白20と断点を守るところです。
白22まで、Aが利いているので黒三子は動きづらい格好ですが、様々な味が残っています。
現在は左上の形が定石となっており、覚えておきたい形の一つです。


黒23と白24を交換した後、黒25にプレッシャーをかけて右上を厚くしていきます。
右辺の構えと呼応して、黒好調に見えますが・・・。


黒27から43と勢いで厚くして、右辺を大きく拡大させます。
しかし、白44と打ち込まれた瞬間、厳しい攻めが続かないため若干白打ちやすそうです。
冷静に局面を収束していく崔精九段の強さが際立つ序盤戦となりました。
結果、白中押し勝ち。



【参考図:誘われた両カカリ】
黒1の両カカリを打つのは相手の意図にハマります。
黒5から9とプレッシャーをかけても、白10でAとBを見合いにされて黒苦しい戦いです。
△に配石されている場合、上辺で戦いになった際に白有利に働くのがポイントです。

「編集後記」
厳しい結果となりましたが、こうした経験が今後に大きく活かされるはずです。
プロデビューまで時間があるので、課題を克服した姿を公式戦で見せてくれると思います。

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