第4回百霊杯世界囲碁オープン戦ー決勝(2)

柯潔九段、史上最年少7つの世界タイトル奪取

1月17日に中国で「第4回百霊杯世界囲碁オープン戦」の決勝三番勝負第2局が行われた。
中国の柯潔九段(21)が韓国の申真谞九段(18)を破り、史上最年少で7つ目のタイトルを獲得。
申真谞九段は第1回天府杯に引き続き、決勝戦で涙を飲む結果となった。


上図は囲碁AI・絶芸による勝率の推移を表したもの。
白番の柯潔九段は一度も劣勢にならず、相手を寄せ付けない打ち回しを見せている。
柯潔九段は白番において驚異的な勝率を誇っており、この壁を打ち破るのは至難のようだ。


二つ目の図は勝率が大きく動いた局面を解析した結果である。
グラフを見てわかる通り、白は大きく勝率が下がった手が一度も存在していない。
勝率も50%を切ることはなく、柯潔九段のパーフェクトゲームであったようだ。
柯潔九段が今年どれだけの世界タイトルを獲得できるのか、注目していきたい。
さて、対局を振り返っていきます。


【実戦譜:冷静な石運び】
黒番は申真谞九段、白番は柯潔九段です。
黒1の三々入りは今では常識的な戦術の一つとなっています。
AかBの何れで受けるべきか悩ましい上に、先の打ち方も多く想定される難しい局面。
ここで、柯潔九段は簡明かつ冷静にこの局面を収束していきます。


白2から10と素直に受ける進行を選択していきます。
黒11の肩ツキから上辺の白模様を消されるため、左上の厚みがぼけるように見えるが・・・。


白12と黒13を交換して上辺を補強した後、白14と右上の黒に迫っていきます。
黒は全局的に薄い碁形なため、白へ厳しく反撃しづらく守勢に回らざるを得ません。


黒15、17と右上を守るなら、白18と上辺の黒二子を孤立させていきます。
右辺の白陣が広がる可能性があり、黒は守勢に回っていては勝機を見出せないので・・・。


黒19、21と切断して、上辺と右辺の白へ寄り付きを狙います。
白28まで、右辺の白陣を低位置にした反面、中央付近の黒が薄くなる短所が残りました。
黒Aなど中央を補強すれば息の長い碁でしたが、次の一手がやり過ぎだったようです。


黒29と様子見をしたのが躓きの始まりでした。
白30と反撃されて、右辺と上辺の黒が狙われる体制となり、白に戦いの主導権を握られます。
勢い、黒31と右辺を裂いていくも、白32から34と連打されては白の利が大きいです。
白Aが利いている以上、右辺の白を封鎖できない黒は一気に苦しい局面となりました。
結果、白中押し勝ち。



【参考図:白有利な戦い】
黒1には白2と緩めて受けるのが好手。
黒3、5の出切りを誘導し、白6と上辺の黒にモタれるのが白の狙いです。
切りを入れた黒を狙いながら、上辺を大きく飲み込む狙いもあり白有利な戦いとなります。

「編集後記」
柯潔九段の緩急激しい打ち方で、申真谞九段が翻弄されている印象を受けました。
中盤では囲碁AI・絶芸と80%以上一致しており、高いレベルで優勢を保持していたようです。
囲碁AIの力を吸収した柯潔九段が、今年はどんな活躍を見せるか、楽しみですね。

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