第4回百霊杯世界囲碁オープン戦ー準決勝

決勝は柯潔九段vs申真谞九段

1月13日に中国で「第4回百霊杯世界囲碁オープン戦」の準決勝が行われた。
中国の柯潔九段と韓国の申真谞九段が難戦を制し、決勝は中韓決戦となった。
持時間は2時間+1分の秒読み5回の中国ルール(コミ7目半)で行われた。
以下に本日の結果をまとめたので参照ください。(左側が勝者)

【1月13日(日):準決勝の結果】
柯潔九段(中)ー陳耀燁九段(中)
申真谞九段(韓)ー辜梓豪九段(中)

【1月15、17、18日(火、木、金):決勝三番勝負の組合せ】
柯潔九段(中)ー申真谞九段(韓)

中国の柯潔九段は3年連続で決勝進出を果たし、7つ目の世界タイトル奪取に王手をかけた。
一方、韓国の申真谞九段は去年の韓国囲碁界MVPに選ばれ、韓国ランキングは現在2位だ。
好調の両者が激突する決勝ではどのような碁を見せるか、注目していきたい。
さて、対局を振り返っていきます。


【実戦譜1:明るい発想】
黒番は柯潔九段、白番は陳耀燁九段です。
黒1に白2、4と隅への進出を止めながら受けるのが最近打たれる手法。
現局面では白A~Cなど荒らす手段が豊富で、上辺の黒陣を固めても問題ないと見ています。
実際、上辺を大きくまとめるのが難しく、白の作戦が活きそうな局面となっています。


上辺をまとめるのが難しいので、黒7と左上の白に働きかけて局面を動かしていきます。
白8、10はシチョウが良い時に用いられる手段で、荒らすよりも右辺を厚くする意図です。


黒11から15と右上隅を固めて、地に辛く受けていきます。
ただ、白16と黒17を交換してから白18と右辺の模様を広げられるので、白十分な展開です。
続いて、黒Aと頑張るのは白B以下符号順の手段があり、黒うまくいきません。


黒19、21と右上の白を制すのは仕方ないところ。
白22から30と右辺を広げた後、白32と左上を守って厚みと実利のバランスが取れてます。
上辺の黒地が固まった利益も大きいですが、全局的には白の発展性豊かな碁形で白良しです。
ただ、終盤で柯潔九段の追い上げを受け切れず、逆転を許しました。
結果、黒1目半勝ち。



【実戦譜2:モタレ攻め】
黒番は申真谞九段、白番は辜梓豪九段です。
黒1の押しは相手の受け方を聞いて、後の打ち方を変える意図があります。
実戦は白2と重い石運びをしたので、黒3と左下に働きかけつつ左辺の白を狙う展開を選択。
コミの負担が重い黒としては、複雑な戦いに引き込んで勝機を探りたいです。


左辺の白は捨てにくい石となっているため、白4の逃げ出しを優先します。
黒9まで、左下と左辺を補強しましたが、まだまだ弱い石でありシノギ方が悩ましいところ。


白10の追及に黒11から15と強く抵抗していきます。
白16と封鎖されると、左下と左辺の黒を狙われて黒苦しい展開に見えますが・・・。


黒17と白18を交換してから、黒19と左辺の逃げ出しを優先します。
白Aに回られると左辺の黒に生きはありませんが、この先の構想が実に柔軟でした。


当然、白20と左下の根拠を奪いにいきます。
黒21、23と追及しても、白24で生きているため左下を制した白の利が大きく見えます。
しかし、ここで黒25から27と動き出してサバキを求めるのが面白い構想でした。
白Aと切断するのは、黒B以下でシボリが決まるので互角に近い形勢となります。


白28、30とシボリを拒否する進行を選びます。
黒31以下で左辺を生きられますが、下辺の白模様が広げる方が良いと判断したようです。
実際、右下の黒が弱い状況なので、黒は模様に深く踏み込みづらく見た目以上に深いです。
この先も難しい進行になりますが、黒が中盤で勝機を掴んで押し切りました。
結果、黒中押し勝ち。

「編集後記」
水面下の激しい読みの潰し合いがありますが、決定的な差がつかない均衡を保っています。
両局とも、中盤のねじり合いが面白いのでぜひ鑑賞してほしいです。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする