第33期中国天元戦準決勝

范蘊若と童夢成が決勝進出

1月9日に中国棋院で「第33期中国天元戦」の準決勝が行われた。
范蘊若六段と童夢成六段が勝ち上がり、両者初の天元戦決勝進出を果たした。
挑戦者決定戦トーナメントの優勝賞金は25万元(約400万円)、準優勝は10万元(約160万円)。
以下に本日の結果をまとめたので参照ください。(左側が勝者)

【1月9日(水):準決勝の結果】
范蘊若七段(22)―芈昱廷九段(23)
童夢成七段(22)―楊鼎新七段(20)

【1月11日(金):決勝の組合せ】
范蘊若七段―童夢成七段

20代の若手棋士が決勝まで勝ち上がり、世代交代が行われているようだ。
両者とも世界戦で活躍しており、連笑天元の座を脅かす刺客となるのは間違いないだろう。
2日後の決勝戦でどちらが挑戦権を勝ち取るのか、注目していきたいところだ。
さて、対局を振り返っていきます。


【実戦譜:新時代の布石常識】

黒番は范蘊若七段、白番は童夢成七段です。
黒1に受けず、白2と大場に走る展開を選択します。
これは黒Aの両カカリの攻防でシチョウアタリに働く深い意味があるやり取りです。
黒はシチョウが悪いので、単に両カカリしづらいため黒3と相手の出方を聞きます。


白4と受けたので、黒はシチョウも良い状況下で黒Aと打ちたくなるかもしれません。
しかし、△に配石されているため、黒Aの両カカリが打ちづらい戦況となっているのです。
最近は両カカリへの対策が講じられており、単に三々へ入る実戦例が増えてきました。


白6から10まで決めた後、白12など大場に走るのが主流の石運びです。
白Aのツギは黒Bと受けた瞬間、白Cなど手を戻す必要があり一手遅れる意味があります。
現代の碁はスピード重視で打たれる傾向であり、一手の遅れが致命的に成り兼ねません。


黒13から17まで形を決めてから、黒19と大場に走っていく姿が常識的となっています。
仮に白Aと切られても、黒Bのツケで利かす手があるので連打されても構わない態度です。
最近の碁は盤面全体が絡む攻防があり、盤上に表れない戦いが非常に激しくなっています。
結果、黒中押し勝ち。



【参考図1:シチョウ関係】
黒1から5と追及するのが現代的な手法です。
しかし、△に配石されている場合、シチョウは白良しなので白6の切りが好手になります。


黒7、9で実利が大きく見えますが、白10の抜きで厚い形を築けるので白十分。
後に白Aの切りから黒地を削る狙いもあり、左下が全て黒地になった訳ではありません。



【参考図2:配石による力関係】
白はシチョウが悪いので、黒1から5には白6、8と受けるのが相場です。
黒9で強く追及されそうですが、白10が簡明な対応策で黒悩ましい局面を向かえます。
△に配石されているため、次に白Aと左上の黒に迫る手が厳しいからです。


黒11と上辺を補強するなら、白12と左辺の黒を追及していきます。
黒13と脱出を図った瞬間、白14と隅を守るのが機敏で黒だけ弱い石を抱える展開となります。

「編集後記」
最近はシチョウ関係や配石のテクニックを用いて、両カカリへの対策を講じられています。
盤面全体が全ての変化に関係するので、今まで以上に全局を注意深く見る必要があります。

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